第6話 3回目のログ

 おばあちゃん。いよいよ3回目です。

 

 ものすごくメタな話。わたしの名前は、白浜未央。今は、18歳の大学1年生の夏休みを謳歌しています。2回目から約4か月経ってしまいましたが、おばあちゃんは元気にしているでしょうか。


 では、行ってくるね。


 漁港には人だかりができており、昼下がりだと言うのに屋台が立ち並んでいる。


 どうやら、今日はお祭りみたいです。漁港に貼ってあるポスターに花火大会と書いてある。おばあちゃんの姿を探して歩くけれど中々すれ違いません。だけど、多分どこかには来ているんでしょう。これは、孫の勘です。


 しばらく歩いて通りを抜けると、漁港の中でも開けた所に出ました。早くから席取りをする人でいっぱいなのでここが特等席になるんだろうね。

 それから数時間。おばあちゃんには会えません。わたし、何しに来てるんだろ。


 この日は、リープの終わりを告げる急激な眠気が中々来なかったから、夕闇に広がる屋台の光。打ち上がる鮮やか花火を後ろに駅の方まで歩いてみました。

 

 おばあちゃんやっと見つけました。

 中心グループの子たちと花火に来ていたみたい。遠目にみえました。だけど、もう限界でした。


 3回目の時間旅行は、永遠に続く階段を下っているような感覚で、おばあちゃんに会いたいけど会えない。タイムリープって不完全だよ、本当。


 次は、また少し期間が空くと思うけれど、またね。

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