第4話 再びあの頃へ

 おばあちゃん、今回が2回目の旅行です。

 早く会いたいな。

 時間旅行の制約は、まだいくつかあります。

 ④時間旅行は、脳への負荷を考えて間隔を約一週間を空けなければならない。同様に最初のリープ場面から、同程度の時間が経過する。

 なので、おばあちゃんに会えるのは一週間ぶりでしょう。

 ⑤最初の時間旅行のタイミングは選べないが、一度行った時間軸はログに残り、繰り返し介入できるようになる。

 なんだかセーブ機能みたいだけど、未来ではこれをアルバムと呼んでます。現在では、静止画の方がレアなんだよ。


 ⑥同じログに短期間で何度も介入してはいけない。

 これだけはよくわかんないんだけどね。早々同じ時間軸に立ち入る人の方が少ないと思うんだけど、不都合なことがあるんでしょうよ。敢えて触れない。


 さぁ、行ってくるね。


 次の瞬間。夕焼け空を前に2人の人影が見えた。

 1人は、おばあちゃん?部活帰りかな。


 おばあちゃんは、わたしより仲良くなった友達がいたのか、帰り道をその子と2人で歩いていました。

 

 わたし、またおばあちゃんじゃない人の中にいる。おばあちゃんに後ろから声をかけようとするんだけど、声が出ない。


 分かれ道を右に曲がったら、おばあちゃんの家。

 左に曲がって峠を超えた先がわたしの家らしい。

 表札には、木下と書いてある。


 「ただいま。」


 「あら、おかえり由美。今日も部活の体験行ったの?」


 わたしは、やはり由美という人物の意識に潜り込んでいるようです。


 ねぇおばあちゃんは、本当に高松真央なんだよね?だけど、確かに由美さんのお母さんは、おばあちゃんには似ていない。お父さんは、単身赴任中みたいだから、よくわかんない。


 唯一わかったのは、由美さんは一人っ子。おばあちゃんとは、小学校が違ったけれど、習い事の習字で仲良くなっただろうこと。益々謎なのは、何故血縁関係のない由美さんとわたしが繋がっているのか。 


 おばあちゃん。会えたようで会えてない感じだね。

 

 では、2回目の時間旅行は、これで。

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