不可思議ミスフォーチュン
チェゲ
~第1期 転移編~
第1話 初対面
ガタンゴトンガタン――
ガタンゴトンガタン――
………?
どこだ、ここは。
最初に目に映ったのは大きな窓。
そして奥には、早く通りすぎる景色。
察するに何かしらの乗り物だろうか。
しかし、この乗り物を私は知らない。
意識がハッキリしていくにつれ、異常事態だと認識していく。
「…なんだ!ここは!?」
急いで立ち上がると、周囲の人から視線が集まる。
いや、待て…囲まれている…!!
急いで攻撃の構えと準備をする。
幸いにも、そこまで人は多くない。
全員黒髪だが、何かの組織か?
思考を巡らせ状況把握をしていく。
「あの…?」
「!?なんだ!!」
「いや…。君、もしかして乗り過ごしたのかい?」
「乗り過ごし…?どういうことだ。ここはどこだ!」
明らかに年上の男性。
近付いてきたということは、接近戦タイプか?
それにしては、服装が動きにくそうだ。
なぜか中途半端にボタンは一つだけとめている。
「えっと…ここは星川だよ。」
「星川?」
聞いたことのない場所だ。
そんな知らないところまで飛ばされたのか?
「細かい地名じゃなく、なるべく大きい地名で言え。」
「えっ、うぅん。…日本だよ。」
「日本?」
なんだ。知らないぞ。
しかし、この怯えよう。
嘘をついているようには見えないし、戦う意思も無さそうだ。
ここには敵は、いないということか。
そう思っていると、囲んでいた者たちが遠ざかっていった。
「困ったな。状況整理しようにも、分からないことが多すぎる…。」
「……。」
とりあえず、先ほど座った椅子に腰を下ろす。
ここまでくると…ここはもしかすると…。
もう一つしか考えられない。
ここは、異世界だ。
「ご乗車ありがとうございます。」
上から音がする。
スピーカーか、この世界にもあるんだな。
「まもなく星川~ 星川~ お出口は右側です。」
星川、さっきの男が言っていた場所か。
大きな乗り物は徐々にゆっくりになり、やがて完全に停止した。
扉が開くと、そこから何人か出ていった。
ここで降りたら、何か手がかりがあるだろうか。
そう思い、私も遅れて降りた。
乗り物から降りると扉が閉まり、同じ方向へ行ってしまった。
察するに、一緒に乗っていた人たちは、乗り物の客か?
「ねぇ、初めて乗ったの?」
後ろから声がする。
「あぁ、あんなのは初めて見た。」
振り返ると、そこには少年が立っていた。
私とほぼ同年代だろうか。
なぜか、少し驚いた顔でこちらを見ている。
「え?初めて見たの?あれ電車だよ?」
「ほぉ、電車というのか。」
「知らずに乗ってきちゃったの?」
「乗ったというより、”知らない間に電車にいた“と言う方が適切だな。」
「じゃ、切符は?」
「切符?」
明らかにこの少年は、ここの住人だろう。
このまま会話して、情報を引き出してみるか。
「うーん、困ったな。君は無賃乗車したというわけか。」
少年は少し考えた後、すぐこちらを見た。
「料金は俺が代わりにだしてあげる!何か訳ありみたいだし、うちにおいでよ。」
「料金?先ほどの乗り物にはお金がかかるんだな。」
「とりあえず、こっちおいでよ!」
そういうと、少年は奥にある屋根がある所へ向かって進んでいった。
ここは素直に付いて行った方が良さそうだ。
それにしても、あいつはどこに行ったんだ?
もしかして、私と同じで異世界に?
「ねぇ、名前は何ていうの?」
「ん?」
「あ、俺から言った方がいいね。俺は
こいつも敵では無さそうだし、名前ぐらい教えていいか。
「私は
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