第2話 初の素材採取とスキル発動
街の門をくぐると、活気あふれる景色が広がっていた。石畳の道に馬車が走り、商人たちが大声で商品を売りさばいている。建物は木と石でできていて、中世ヨーロッパみたいな雰囲気だ。俺、タロウは興奮を抑えきれなかった。異世界に来てまだ一日も経っていないのに、もう冒険の匂いがプンプンする。
まずはギルドを探そう。村長から聞いた通り、冒険者ギルドは街の中心にあるはずだ。道を歩きながら、周囲を観察する。人種は様々で、人間、エルフ、ドワーフ、獣人までいる。みんな剣や鎧を身に着けていて、俺の服装は浮いているかも。転生時の服は普通のシャツとズボンだ。早く装備を整えなきゃ。
ギルドの建物は大きかった。木製の扉に剣と盾のマークがついている。中に入ると、カウンターに美女が座っていた。赤い髪のポニーテールで、制服がぴったりだ。名前は受付嬢のミリアらしい。
「ようこそ、冒険者ギルドへ。新規登録ですか?」
俺は頷いて、登録用紙に記入する。名前はタロウ、職業はクラフトマスター。ミリアは用紙を見て、眉をひそめた。
「クラフトマスター? 聞いたことないわね。通常は戦士や魔法使いだけど……まあ、ギルドは職人系も受け付けてるわ。登録料は銀貨五枚よ。」
村長からもらった金貨を崩して支払う。登録が完了し、ギルドカードをもらった。銅ランクの最低位だ。ランキングはギルド内のボードに表示されていて、俺は最下位の何千番目か。トップは伝説の鍛冶師や錬金術師たち。燃えてきたぜ。
「まずはクエストを受けて、貢献度を上げなさい。素材採取の依頼が多いわよ。」
ミリアのアドバイス通り、掲示板を見る。初心者向けに、森の薬草集めや鉱石採取がある。よし、これだ。『初級素材採取:ヒールグラス10本と鉄鉱石5個。報酬:銀貨10枚。』
これなら俺のスキルで楽勝。素材採取Lv1があるし、鑑定も使える。ギルドを出て、街の外れの森に向かう。道中、店でハンマーとツルハシを買った。収納空間にしまっておく。
森に入ると、木々が密集していて、陽光が差し込む。鳥の声と風の音が心地いい。まずはヒールグラスを探す。鑑定スキルで周囲をスキャンすると、視界に情報が浮かぶ。
【ヒールグラス:回復薬の素材。品質中。】
手が光り、素材採取スキル発動。地面から簡単に抜ける。通常の何倍も効率的だ。10本集めるのに、数分しかかからなかった。次は鉄鉱石。岩場を探すと、地面に埋まっている鉱石が見つかる。
【鉄鉱石:鍛冶素材。品質低。】
ツルハシで叩くと、スキルのおかげで簡単に掘り出せる。5個集めて、収納。クエストクリアだ。もっと集めて、スキルを上げよう。奥へ進むと、魔物が出てきた。ゴブリンだ。小さい緑色の奴で、棍棒を持っている。
戦闘スキルはないけど、村で作った鉄の剣がある。構えて、斬りかかる。体が軽く、動きやすい。転生ボーナスで身体能力が上がってるみたい。ゴブリンを倒すと、ドロップアイテムが出た。
【ゴブリンの牙:魔道具素材。】
【ゴブリンの皮:防具素材。】
おお、いいね。採取スキルで剥ぎ取る。スキル熟練の通知が来る。
【素材採取Lv2に上昇。採取効率アップ。】
気持ちいい。もっと狩ろう。森を徘徊すると、群れを見つけた。5匹のゴブリン。囲まれそうだが、錬金術師スキルを使ってみる。ポケットにあった石を加工して、簡易爆薬を作る。スキル発動で、手の中で化学反応が起きる。
投げて、爆発。ゴブリンたちが吹き飛ぶ。残りを剣で仕留める。戦利品を回収し、レベルアップ。
【錬金術師Lv2に上昇。作成速度アップ。】
最高だ。クラフトマスターのスキルは連動してるみたい。採取すれば他のスキルも活かせる。
さらに奥へ。珍しい素材を探す。木の根元に光るキノコ。
【マナマッシュ:魔力回復の素材。品質高。】
採取して、収納。鑑定で詳細を見る。魔道具に使えるらしい。興奮してどんどん集める。すると、大きな影が現れた。ボス級の魔物か? 狼みたいな奴で、角が生えてる。ホーンウルフ。
咆哮を上げて襲ってくる。速い! 剣で受け止めるが、弾き飛ばされる。体力が減った。回復薬を作ろう。ヒールグラスを錬金で加工。スキル発動で、ポーション完成。
飲んで、体力回復。反撃だ。魔道具職人スキルを使って、ゴブリンの牙に魔法を込める。簡易の魔法剣になる。
【魔法牙の短剣:攻撃力+15、魔力付与。】
これで斬りかかる。ウルフの毛皮を切り裂く。倒して、素材ゲット。
【ホーンウルフの角:高品質魔道具素材。】
【ホーンウルフの毛皮:防具素材。】
大収穫。スキルが一気に上がる。
【魔道具職人Lv2に上昇。】
【鍛冶師Lv2に上昇。】 さっきの剣作りで上がったみたい。
森から戻る頃には、夕暮れ。ギルドに戻って、クエスト報告。ミリアが驚く。
「こんなに早く? しかも余分に素材持ってきたの?」
報酬をもらい、追加で売却。銀貨50枚になった。ギルドランキングが少し上がる。最下位から脱出だ。
夜、宿屋で休む。部屋はシンプルだが、快適。夕食は自分で料理。集めた肉とキノコでステーキ。料理人スキル発動で、味が抜群。ステータスアップ効果付き。
隣の部屋から声が聞こえる。女の子の泣き声? 気になってドアを叩く。
「大丈夫ですか?」
開くと、可愛い獣人の少女。猫耳と尻尾がある。名前はミア。奴隷だったが、逃げてきたらしい。傷だらけだ。
「助けてください……お腹すいた。」
俺は料理を分けてやる。ミアは感激して食べる。
「美味しい! こんなの初めて。」
回復薬も作って、傷を治す。ミアは涙目で感謝。
「恩に着ます。お礼に、何かしますよ。」
ハーレム候補か? いや、まだ早い。ミアを保護して、一緒に冒険しようか。
次の日、ミアを連れてギルドへ。彼女は戦士志望。パーティーを組むことに。
「タロウさん、強いですね。私、フォローします!」
こうして、仲間ができた。素材採取はこれからも続ける。スキルを発動させて、どんどん強くなるぞ。
街の外で、次のクエストを探す。ダンジョン素材の依頼だ。面白くなってきた。ギルドランキングを駆け上がる第一歩。
森の奥で、珍しい鉱石を見つけた。【ミスリル鉱石:高級鍛冶素材。】
これで最強武器を作れるかも。採取スキルで掘り出す。重いが、収納で楽チン。
帰り道、盗賊に遭遇。3人組の人間。ミアが戦うが、苦戦。俺は錬金で煙幕を作って逃げる。
「ありがとう、タロウさん。」
ミアの信頼が上がる。街に戻り、盗賊をギルドに報告。賞金が出た。
日が暮れる。宿でミアと話す。彼女の過去、奴隷生活の辛さ。俺は励ます。
「これからは自由だ。一緒に成り上がろう。」
ミアは頷き、頰を赤らめる。いい雰囲気。
スキル熟練の道は長い。でも、楽しい。異世界の冒険は、まだ始まったばかりだ。
街の鍛冶屋を覗く。道具を買うが、俺のスキルの方が上かも。自分で作ろう。
ハンマーを振るって、テスト。鉄の剣を改良。【強化鉄剣:攻撃力+20。】
売却して、金稼ぎ。ランキングがまた上がる。
ミリアが声をかける。「すごいわ、タロウ。もう中堅よ。」
照れくさい。もっと頑張る。
森の素材で、料理実験。マナマッシュ入りスープ。魔力回復効果大。
ミアに飲ませる。「強い! これで戦える。」
パーティー強化だ。
次はダンジョン。素材の宝庫らしい。楽しみ。
こうして、初の素材採取は大成功。スキル発動の喜びを知った。成り上がりの基盤ができたぜ。
次の更新予定
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転生クラフトマスター ~鍛冶と錬金で異世界ギルドを制覇する~ @tamacco
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