宅間はるきの日常
ミセス・マーガレット
第1話 ドキドキキャンプ大騒動
よっ!俺、宅間はるき、16歳!
中学じゃ地味に卓球部でピンポン玉追いかけてただけの俺が、まさか高校でバドミントン部に入って、しかも夏休み早々キャンプとか、もう人生どうなってんだ!? 高校が改修工事で最初の1週間まるっと部活禁止とか、天の采配すぎるだろ! これで心置きなく自然を満喫できるぜ……って、ちょっと待てよ満喫どころか地獄じゃねーか!痒い!痒すぎる! 腕! 首筋! 耳の裏! 蚊の大群が「新鮮な高校生の生血キター!」って歓迎パーティー開いてる! 長袖長ズボン着てきた俺の努力、蚊の前ではただの紙じゃねーか! 虫除けスプレーだって「森林香」ってやつを全身に浴びる勢いで吹き付けたのに、効果5分で切れたのか!? こいつらスプレーの匂いを「ディナー前の香水」だと勘違いしてんのかよ!?ボリボリボリボリ……
ああもう我慢できねえ! 掻いたら負けだって分かってるけど、掻く手が止まらねえ! これが伝説の「蚊地獄ループ」ってやつか! 掻く→痒み増す→もっと掻く→血がにじむ→蚊が喜ぶ→さらに寄ってくる……無限コンボやめろ!
そこへ、涼しい顔で増尾としのりが登場。
「おい宅間、掻くから余計痒くなるんだよ。掻くなって」
この増尾って奴は俺のクラスメイトで、陸上部で槍投げやってる。糸みたいに目が細くて、背が低いのに体重が75kgもあるずんぐりむっくりした男子だ!性格は見ての通り無神経で、人を心配するなんて気持ちは一切ナシ!しかしなんでこいつは蚊に刺されてねえんだ!
お前、槍投げの奴は肌が鋼鉄かよ! 腕まくりして見せてみろよ、蚊に刺された跡一つねえじゃねーか! 俺の腕は今や赤い水玉模様だぞ! ファッションとして成立してねえ!「なんでお前は刺されてねえんだよ、ああ痒い、ちょっと背中掻いてくれ、手が届かねえんだ、頼む!」って叫んだら、増尾は「だはははは!あーおもしろ、一生痒がっとけ!」って笑いながら、どこかに行っちまった。
薄情者! 友達だと思ってた俺がバカだった! こいつ絶対蚊に「俺は刺すな」って契約結んでるだろ!……でもまあ、こんな俺をわざわざキャンプに誘ってくれたんだよな。そこだけは感謝するわ!
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