【雑記】個人的な創作レポート

シロヅキ カスム

創作における、『幸福観』の介入

創作って思いのほか、

自身の人生経験や価値観の影響が

表面化してくるものなのね。


そんな当たり前のようで、

えげつない事実に気がつきました。


ちょっとメランコリーな話です。

お付き合いください。



 * * *



【01/事のきっかけ】


先日、ChatGPTに

『シンデレラストーリーの構造』

について考察してもらいました。


自分はあまりこの手の物語は

書かないのですが、

昨今は漫画・小説ともに人気の題材なので、

一度きちんとその魅力の『心理的作用』を

解析したかったんです。


どうして、

あの手の物語に快を覚えるのか。


さらにどうして、

その快をうっすら理解しつつも、

自分はそこまで強く没入していけないのか。


感覚としてはわかるけれど、

言葉としてはっきり言い表せない

もどかしさ。


そこで、わかりやすい言語化を

得意とする対話型AIに

考察を頼んだという次第です。



 * * *



【02/幸福のギミック】


いろいろと物議を醸しそうなので、

AIとの会話内容は概ねはしょります。


シンデレラストーリーに快を覚えるのは、「複数の要因が絡まっている」

とAIはおっしゃいましたが、

とかく物語の構造の核として

以下の式があるようです。


『不幸 → 逆転 → 幸福』


不幸の共感から一転、

最上の幸福を得られるという。

いわゆるカタルシスというものですね。


AIから提示された図式を見て、

自分はあることを思いつきました。


この構造式においての不幸と幸福、

すなわち『幸福の価値観』が、

決定的な没入の差分を生み出している

のではないかと。


なにを『不幸』とするのか

なにを『幸福』とするのか。



 * * *



【03/現代らしい逆転劇】


疑問を投げかけると、AIはAIなので

快く自分の説を肯定してくれました。


曰く、昨今のシンデレラ構造には

以下のような

『不幸』描かれているとのこと。


「努力が報われない」

「他者から軽んじられる」

「愛されない・モテない」


その不幸を打破するための

『逆転』の解決方法が、


「じつは自分には秘められた価値があり、

その価値をわかってくれる人たちに

歓迎される」


ということらしいのです。


この不幸と逆転を経て描かれる

『幸福』が、以下のようになります。


「下層から頂点へと立場かひっくり返り、

みんなを見返す」


現代社会を象徴する

能力主義的と言いますか、

強い序列を意識した『幸福観』であると、

AIは答えてくれました。


不幸も幸福も、

どちらとも他者や環境といった外部に

要因があるように見受けられます。



 * * *



【04/比較して】


AIの考察を経て、

改めて自分が昨今のシンデレラ構造と

相性が悪いことに気づかされました。


なにが不幸で、なにが幸福なのか。

その幸福観が外側ではなく、

内側といった真逆を向いていたのです。


自分にとっての不幸とは、


「自分がわからない」

「自分の感情に素直になれない」こと。


自分のとっての幸福とは、


「己と向き合い、

自身の感情を素直に受け入れることで、

他者や世界とポジティブに付き合う」


こととなります。


この幸福観が形成されたのは、

ほかでもない自分の人生で発生した

体験によるものです。


その昔、ちょっと病んでいた時期が

ありまして、片っ端から心理学の本に

手をかけた経験が生きています。


そしてこの経験よってつくられた

幸福観の構図が、

がっつり自作小説にも描かれていることに

気づいて、大変ショックを覚えました。

 


 * * *



【05/無意識って怖いな】


自分は『良かれ』を書いてきたつもりです。


でも、それは自分にとっての

『良かれ』でしかなかった。


多様なタイプの物語にチャレンジして

いきたいのに、しょせん源流は一つ。

なんて残酷な現実でしょうか。


芸達者になりたかった。

けれど、自分から逃れられない運命を

ひしひしと感じます。


創作は自己の内側から生まれるものだから、

そりゃ当然だと笑う気持ちもあります。

でも、やっぱり多様でありたかったです。


以前、執筆した短編小説

『卒業式のユメ(以下略)』でも、

己の幸福観が顕著に表面化しています。


荒唐無稽な夢の世界を通じて、

『少年が自身の抑圧していた感情に気づく』

といったストーリーを描いています。


「本当は自分が怒っているのだ」と、

恥ずかしいが大切な怒りの感情を

少年自身が認めることで、

夢から覚めたあとの現実にて、

疎んでいた優等生くんと

少し明るく向き合えるようになります。

 

まさしく、前述した幸福観です。

 

ほかの小説にも似たような傾向があり、

まったく無意識だったこともあって

白目を剥くはめになりました。



 * * *



【06/終わりに】


こう言っては元も子もないようですが、

あんまり深く物語を分析しないほうが

いいのかもしれませんね。


エンタメはエンタメとして

楽しむのが吉です。


幕の裏を暴いたところで、

お宝があるわけでもありませんし。


見なかったことにして、終わりましょう。


ただ、幸福観にフォーカスすることで、

自身と相性のいい小説作品を探すことに

役立てるかもしれません。


己の不幸とはなにか、

幸福とはなにか……。


タグやジャンルだけではなく、

こういった価値観もマッチングの要素として

採用を検討してみたいです。

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