今日という日について【魔女っ子】

@hashito_

第1話

 今日は、とてもいい天気だった。

 私の名前は藤宮そら。十四歳。中学二年生。そして、魔法少女だ。

 朝六時三十分に目が覚めた。カーテンを開けると、雲ひとつない青空が広がっていた。天気予報によれば、今日の最高気温は二十三度。絶好の洗濯日和だと、母が言っていた。

 朝食はトーストと目玉焼きとサラダだった。父はコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。妹の美月は、昨日の宿題をやっていないことを母に叱られていた。

 いつも通りの朝だった。


 学校では、一時間目に英語の小テストがあった。

 範囲は不規則動詞の活用。bring-brought-brought、think-thought-thought、buy-bought-bought。私は満点を取った。隣の席の田中さんは、三問間違えたらしい。

 二時間目の数学では、連立方程式の応用問題を解いた。文章題が二問。一問目は、みかんとりんごの値段を求める問題。二問目は、列車の速度を求める問題。

 昼休み、親友の美優と一緒にお弁当を食べた。美優は最近、クラスの男子のことが気になっているらしい。サッカー部の、佐藤くん。

「ねえ、そら。佐藤くんって、どう思う?」

「どうって?」

「かっこいいと思う?」

「うーん、普通じゃない?」

「えー、そうかなあ」

 美優は少し不満そうだった。

 放課後、私は寄り道せずに帰宅した。今日は「お仕事」がある日だからだ。


 午後五時十五分。

 使い魔のルナが、私の部屋の窓辺に現れた。黒い毛並みの、猫のような生き物。金色の目をしている。

『そら。出現予報が出ている』

「わかった。場所は?」

『駅前の商店街。十七時四十二分』

 私はブレスレットに手を当て、変身の呪文を唱えた。

「プリズム・トランスフォーメーション」

 光が体を包み、一瞬で魔法少女の姿になった。白いワンピースに、青いリボン。手には銀色のステッキ。

 私は窓から飛び立ち、指定された場所へ向かった。


 午後五時四十二分。

 予報通り、怪物が出現した。

 黒い霧のような体。赤い目が三つ。全長およそ四メートル。中型の部類だ。

 私はステッキを構え、魔力を集中させた。

「プリズム・スターライト!」

 光の奔流が怪物を貫いた。怪物は断末魔の叫びを上げ、霧散した。

 戦闘時間、三分十七秒。被害、なし。

『お疲れ様。今日も完璧だった』

 ルナが言った。

 私は変身を解除し、家に帰った。


 夕食は、カレーライスだった。

 父は残業で遅くなるらしい。母と妹と三人で食べた。妹の美月は、カレーのにんじんを端に寄せていた。母に注意されて、渋々食べていた。

 食後、私は自室で宿題をした。英語のワークと、数学のプリント。九時過ぎに終わった。

 風呂に入り、髪を乾かし、ベッドに入った。

 今日も、いい一日だった。

 そう思いながら、私は目を閉じた。

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