第11話

七華はスピーカーのボリュームを控えめにし、ショパンのノクターンを流し始めた。部屋には柔らかく切ない旋律が漂い、二人はただ椅子に座って、音に身を任せていた。言葉は交わさず、時間だけがゆっくりと流れていく。


猫たちは最初、丸くなって寝ていたが、やがてふうが目を細めて伸びをし、まつも耳をぴくりと動かした。ふさは静かに目を開け、ゆっくりと毛づくろいを始める。


七華は、猫たちの動きをちらりと見やりながらも、音楽に集中する。風凜も同じように沈黙の中で曲を聴き続けた。


少し経つと、七華はボリュームをわずかに上げ、ショパンの旋律が部屋の隅々まで響き渡った。

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