息子をボロボロにした異世界なんてお母さんに任せておけばいいのよ♡‬

。きみ

第1話 最愛なる息子が異世界転生から戻ってきた


川口エミ子 41歳 専業主婦

愛する夫と愛する息子に囲まれて順風満帆なエンジョイライフを送っています。


「母さん、今日部活で遅くなるから!。」

「待って純ちゃん、弁当忘れてるわよ。」


このイケメンで優しくてプリティーなこの子は純ちゃん。「川口純太 (15歳)」


「ありがとう、母さん!。行ってきます!。」

と玄関の扉を開けた次の瞬間、私の純ちゃんは謎の光に包まれて姿を消してしまったのだった。


そこからの私の記憶はない

夫曰く、夫の職場から自宅まで徒歩1時間半かかる道のりを私は大泣きしながら走り

夫に抱きついて「純ちゃんが居なくなったのぉぉおお…。」と職場内で大泣きしたらしい


そこからは警察やら市役所やら

に行方不明届をだしたり息子の写真付きチラシを近所や駅前で配ったりもしていたらしい

でも純ちゃんの事で頭がいっぱいで何も考えられなかった。

その時の食事や洗濯 身の回りの事は夫が全部やってくれていた、いつもごめんね。


再び私の意識が正常に戻ったのは1週間後だった。そう、もう会えないと思っていた純ちゃんが帰ってきたの!。


でも…

元気な純ちゃんの姿は何処にもなかった…。

身体は傷だらけ、声を掛けてもただただ泣いて

「ごめんなさい、ごめんなさい。」

と言うばかり

今は家族である私達が傍にいたとしても

純ちゃんを苦しめるだけかもしれないと思い

純ちゃんは大きな病院で入院生活を送っている


そんな今頑張っている純ちゃんの代わりに私はやらなければならない事がある

実は純ちゃんが戻ってきたと同時に1匹の白うさぎ野郎が何食わぬ顔で「もうお前は用済みだっぴょん。」と純ちゃんに向かって吐き捨て元の異世界?と言う場所へ戻ろうとしていた


私はそんな白うさぎをぶん殴り縄で締めて縛り付け脅す事にした


「ねぇ、白うさぎさん。この包丁が見えるかしら?。」

「み、見えるぴょんけど、ま、まさかこの僕のことを殺そうだなんて思ってないぴょんね!」

「あら、案外賢いのね♡‬」

「わ、悪かったぴょん。あ、謝るぴょん。」

「私の純ちゃんもそうやってきっと謝ってたのよね。でも誰もきっと助けてくれなかったのよね。」

「だからここで…「わ、わかったぴょん!」


「お前んとこの息子はこの僕が魔法で治すぴょんだから許してくれぴょん」

「それだけじゃ足りないわ♡‬」

「ま、まだ要望するぴょん?」


エミ子の包丁がキランと光り輝く

「わ、わかったぴょん、言う事聞くぴょん!。こ、殺さないでぴょん。」

「そう、いい子ね♡‬。じゃあ今からお母さんを異世界に連れてってくれるかしら?。」

「い、異世界ぴょん!?」

「そうよ♡」



こうして白うさぎの魔法により

純ちゃんは異世界で起きた出来事を忘れ、何事も無かったかのように明るく元気に過ごしている。

でも私は許さない。

あの純ちゃんをあの可愛くて愛おしくて優しくてかっこよくて家族思いな純ちゃんを

ボロボロにした異世界を私は一生許さない。

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息子をボロボロにした異世界なんてお母さんに任せておけばいいのよ♡‬ 。きみ @omarumaru1212

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