新解釈白雪姫

沖一耕矢_Kotaro

新解釈白雪姫

「ちょっと!死ぬなんて聞いてないんだけど!?」

ちょっとお腹くだして痛い思いすればいいと思っただけなのに。

しかももう葬儀とかやってるじゃないの。展開早ッ!小人ども仕事早くね?

「あ、見てください妃。通りすがりの某国王子のキスで息を吹き返しましたよ」

「は?なんですって?どう言うことよ鏡!あんた白雪はリンゴの毒で死んだって言わなかった?!」

「言ってませn」

「生き返ったってことは、毒は効いてないってことじゃない。私は無実よ!そうでしょ?鏡!」

「そうですねえ…じゃあちょっと整理しましょうか。白雪姫はリンゴを食べて死にました。小人たちが葬儀をしているところに超イケメン王子が通りかかって」

「超イケメンはいらないでしょ」

「…コホン。通りかかった王子の口付けで白雪姫は無事生き返りました、めでたしめでたし」

「あんた粗筋しゃべっただけじゃないの」

「つまりですね。これは毒殺ではなく窒息死だと言いたいわけですよね妃?」

「そうよ!いぢましい白雪はリンゴをよく噛まずに飲み込んで窒息したのよ!だから王子の口付けでリンゴのかけらが取れて息を吹き返したの!ほーら、私は無実でしょ!」

「せやろか」

「急に関西弁になるのやめて」

「詳しくは大人の事情的にアレなんで語りませんが、窒息の機序ってね、結構短いんですよ。酸欠で脳があぼーんするまで数分。

白雪姫がリンゴを食べてから小人が葬儀でしくしく泣き出すまで、数分でできると思います?無理無理。だから私は窒息説は取りません」

「…じゃ、じゃあ白雪の死因?って言っていいのかわからないけど、それは一体なんなのよ!毒でも窒息でもないならなんだって言うの?」

「貴女のイタズラに乗っかった心優しい娘という演出」

「はい?」

「(裏声)もう、お継母さまったら冗談キツいわぁー。今時差し入れにリンゴ丸ごと1個とかないわぁー。しかもちょっと傷んでるっぽくなぁい?…あ、いいこと思いついちゃった。ねえ小人のみんなー、ちょっと遊びましょー、お継母さまで」

「…」

「(変声)そうそう白雪、某国王子が最近この近くを通りかかるらしいからついでにゲットしようよ!超イケメンだっていうしさ」

「…どんだけ超イケメン言いたいのよ」

「…とまあこういったわけですよ」

「やっぱり私無実じゃない」

「せやろか」

「まだ言うの」

「貴女はヤる気満々で毒を仕込んだんですよねえ妃?はい有罪」

「だから毒は効いてないんでしょ?!」

「効いたかどうかではない、貴女の意識の問題です」

「急にシリアスぶるのやめなさいよ」

「懺悔なら聞きますよ」

「…ある意味やるんじゃなかったわ」

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