お題40:朝起きたら僕の影がいなくて、かわりに「休暇届」が机に置いてあった。

 朝、いつも通りの時間に起きて部屋のカーテンを開ける。やわらかい日差しが気持ちいい。


 そんな僕のルーティーンに妙な流れを呼んだのは、机の上にあった一枚の紙だった。


「休暇届……なんだこれ?」


 当然、僕に心当たりはない。開けてみると差出人が、君の影と書いてあった。


「僕の影……? ってあぁ本当だいない!?」


 太陽と逆の方に顔を向けると、確かにあるはずの僕の影が無い。一体どうしたらこんなことになるんだ。とにかく休暇届の内容を見てみる。


「一日中ずーっと君の動きをマネし続けるの疲れた。気晴らしにちょっと旅行へ行ってきます」

「影っていつもマネしてるから同じ動きだったの!?」


 人に影がある理由、それは人のマネをしていたからだった。いやそんなわけあるかい。


「というか旅行ってどこに行ったの!?」


 僕の影に連絡先とかないし、探そうにも打つ手が無い。僕はただ、影の帰りを待つしかないのだった。

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