お題35:“ドラゴン禁止”の張り紙がある公園で、ドラゴンが堂々と日向ぼっこしていた。

 私の通勤路にある公園、昨日までなかったはずの立て看板があった。


 ドラゴン禁止、と大きく書かれていた。


 これは誰かのいたずらだろう、そう思いつつ公園を見た。そしたら推定ドラゴンであろう大きな動物が、公園のど真ん中で寝ていたのである。


「いやいや、何よこの状況……街中にドラゴンとかやばいでしょ」


 うん、見なかったことにして立ち去ろう。と思ったのだが、突如鳴り響いたホイッスルの音にまた足を止めてしまった。


「はいはーい起きてください、ここドラゴン禁止って書いてあるでしょ」

「えー、あー。そうだね……」


 現れた警察っぽい人が、起こしたドラゴンに黄色い紙を渡す。


「はい、罰金は後で警察署に支払いいってね」

「うへー、めんど」


 そんな駐禁みたいな感じなんだ。ドラゴンいるってだけで普通大騒ぎだと思うんだけど。


「あ、そこのおねーさん」

「え、何ですか」


 うわ、話しかけられた。


「お腹空いたんだけど、近くにコンビニないかなー?」

「いや生活感すご」


 ドラゴン、人の生活に慣れすぎ問題が発生していた。

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