お題33:転んだ拍子に異世界へ行ったが、周りの人が全員なぜか僕のことを“先生”と呼ぶ。
「いつつ……え、ここどこ?」
アスファルトで転んだかと思ったら、一面が土に変わっている。顔を上げると、さっきまでのビル街はどこへやら。いかにも昔の農村チックな場所に変わっていた。
「ちょっと待って、あんなきっかけで異世界に来ちゃうもんなの?」
俺が異世界だと確信した理由は、空にドラゴンが飛んでいたのを見たからだ。それも5頭ぐらいいる。
その上、俺を囲っている人々の服装があまりにも浮世絵離れしている。というか何で囲まれてるの。
「先生!」
「え?」
誰が言ったのかはわからなかったが、みんなその言葉に同調している様子。
「おぉ……、何もないところから現れるとは、やはり只者では無さそうだ」
「それは何もないところで転んだ俺への当てつけか?」
「いえいえ! 滅相もございません! みにつけていらっしゃる珍妙な服といい、予言にあった先生で間違いない!」
「どんな予言なんだよ……」
もしかすると、俺の知ってる先生とここでいう所の先生は違うのだろうか。
「さあ先生! このチョークであの竜を倒して差し上げてください!」
「なんか色々間違ってるぞ!?」
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