お題4:玄関を出た瞬間、道の真ん中でおじいさんとカラスが真剣に将棋をしていた。

 俺の中で、将棋が打てる人は頭いい、という認識だった。けれど、道の真ん中で堂々とやっているおじいさんとカラスはどうなんだろう。


「ってカラスと人が将棋してる!?」


 何この状況。俺んちの前でなにしてくれてんだよ。


「うーむ、ちいとカラスの知能を侮っておったかもしれんのぉ……」

「カッカッカ、人間も大した事ないなぁー」


 くちばしで器用に駒を動かすカラス、口調がなんかむかつくな。


「王手、カァく取り」

「うるせえなこいつ」


 何口癖とかけとんねん。というか人より将棋上手いのおかしいだろ。


「くっ……」


 負けを悟ったおじいさんは、干し肉をカラスにささげた。いや負けちゃうのかよ。


「……とりあえず、よそでやってくんない? ふっつーに邪魔なのよ」

「人間はわがままだなぁ」

「だからうるせえって」

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