タイムスリップしたのは理解したけど、性別転換は聞いてない!!
lana
第1話
「ここどこだ?」
俺は、目が覚めると懐かしい天井が視界に入る。
「あら、目が覚めたの?気分はどう?」
「な、な、
俺はものすごい勢いではね起きた。
「ど、どうしたの?急に叫びだして。」
先生は不思議そうな顔をしている。
「え、だ、だって、先生は小学校の保健の先生のはずじゃ、、、。」
俺が叫ぶと、
「どうしたの、大丈夫?ここは三大夢島小学校の保健室よ。」
「?!」
俺は驚きのあまり声が出ない。
しかし、そんなのもお構いなしに先生が話を続ける。
「もしかして変なところでも打ったのかしら、全くいきなり倒れるからみんな心配したのよ?それに、、、。」
先生は何か言ってるけど俺はそれどころではない。
さっき俺は確か、、、。
そうだ!
俺は
「うっ。」
思い出そうとした瞬間、激痛が頭に走った。
「大丈夫?!」
「は、はい何とか。」
「よかった!心配させないでね大島さん。」
「?」
確か先生、昔は俺のこと大島君って呼んでなかったっけ?
俺は、少し嫌な予感がした。
「女の子は体を大事にしなくちゃね。」
先生はニコっと俺に微笑みかけながらそう言った。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
確かに今、先生は俺のことを女の子って、
女の子って言ったよな、、、。
次の瞬間俺はダッシュでトイレに向かった。
「、、、。」
トイレの鏡の前、呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
言葉が出ない。
鏡に映っているのは、俺ではない俺。
そう、女の俺が映っていた。
髪は腰まである長い黒髪。
ぱっちりとした存在感のある二重の目に小さい鼻。
どこからどう見ても美少女だ。
自分でも見惚れるほど顔が整っている。
かなり好みの顔だが断じて幼女が好きなわけではない。
不覚にも美しいと思ってしまっただけだ。
誰に何か言われたわけでもないのに一人で言い訳を考えてしまう。
そんなことをしている場合ではない。
「大島さん!!いきなり男子トイレに駆け込んでどうしたの!!」
先生は驚きながらも不思議そうにこっちを見ている。
この場で中身が男なんて言っても信じてもらえないだろう。
なんなら頭がいかれたのかと思われ、救急搬送されかねない。
「、、、い、急ぎすぎて間違えましたー、、、。」
妙な間の後に口を開いたが、あまりに動揺していて途中声が裏返ってしまった。
でも俺はそれどころではない。
廊下を真っすぐ歩き、保健室に戻りながら頭を働かせる。
俺はなぜ小学生になっているんだ?
しかも俺はなぜ女になっているんだ?
謎は深まるばかりだ。
でもよりによって小学校時代なんて、、、。
いい思い出なんて一つもないのに。
「元気になったみたいだし教室に戻る?」
保健室でしばらく休んでから奈瑠美先生が俺に声をかけた。
「あ、はい!そうしまーす!」
俺は勢いよくドアを開け、廊下に出る。
その三秒後、、、。
「先生、俺、、、じゃなくて、私って何年何組でしたっけ、、、?」
数秒の沈黙があった後に先生が口を開いた。
「病院、行こうか。」
奈瑠美先生がまじめな顔でそういって車の手配を始めようとする。
「先生!確認してみただけだって!!」
俺は慌てて救急車を呼ぼうとする奈瑠美先生を止めた。
他の先生にも手伝ってもらって何とか二時間目までには教室に行くことができた。
「5年3組か、、、。」
懐かしい教室が目の前にある。
これは何かの夢か?
最近疲れてたしな。
懐かしい記憶が蘇り、同時に吐き気が押し寄せてきた。
それは罪悪感のような恨みのようなものが混ざった気持ちの悪さだった。
ただ、今の俺は昔の俺とは違う。
大きな違いは「性別」その次に「年齢」だろう。
俺の中で性別の衝撃がかなり大きく、動揺が隠せない。
一度、深呼吸をする。
勢いをつけてドアを開け、一歩踏み出す。
神様のいたずらに、付き合ってみるか。
タイムスリップしたのは理解したけど、性別転換は聞いてない!! lana @la_na
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