その後、勇者と王との対面

 ここは王城。

 そこでは運動不足で太った王が一人、夕食を食べていた。

 机に並ぶ大量の料理はどれも豪華なものであり、高いことが目で見て分かるレベルである。

 それらを王は全て一口ずつ食べ、そして皿を下げさせる。

 王曰く、最初の一口こそが至高らしい。

 正直勿体無い。


 そんな中、突如として扉が開く。

 そこにいたのは勇者だった。


「王! よくも俺を騙してくれたな!」


 勇者が恨みがましい目で王を見る。

 王は落ち着いた様子で口をナプキンで拭う。


「どうした勇者よ。魔王討伐に行ったのではなかったのか?」


「全部魔王から聞いたぞ! 極悪非道な独裁者は魔王じゃなくてお前じゃないか!」


 王は少し思案する様子を見せた後口を開く。


「……そうか、バレてしまっては仕方ない。勇者、お前にはここで消えてもらおう」


 王がパチンと指を鳴らすと3人の人影が上から現れる。


「おっお前らは、戦士マネー・イマネーと、僧侶ダマスキー・マンマンと、魔法使いケッコン・シマセンじゃないか!!!」


「くくく、勇者様、いくらお前とはいえ、かつての仲間であれば攻撃できないだろう」


 ドゴッ、バキッ。


「お前に嘘がバレた時のために、あらかじめ洗脳してここまで連れて来ておいたのだ!」


 ボコッ、ボコッ。


「さあ、お前ら! 勇者をやっちまえ!」


 チーン。


「お前が話している間に倒し終わったけど」


「は? なんで? なんでそんなに躊躇なく仲間を殴れるの?」


「だってこいつら仲間というよりはどっちかというと仇だもん」


「しまった!!! リサーチ不足だった!!!」


「さあて、俺を騙したツケを払ってもらおうか」


「こんな簡単にやられてたまるか! これでも喰らえ!」


 王は魔法を使用した。

 ……王は魔法の呪文を忘れてしまっていた。

 辺りに気まずい雰囲気が漂った。


「……」


「……」


「王よ! 覚悟!」


「ぐわぁぁぁ」


 二人はさっきのことを無かったことにした様だ。


「バタリ」


「安心しろ。峰打ちだ」


 そうして、極悪非道の王は倒されましたとさ。

 めでたしめでたし。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る