もう去年?バッキュンと聖なるあの夜に

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 もう、年明けた?年が明ける前を思い出して…あのころは、皆で集まって、ワイワイばっきゅんできましたか?

 世の中、いろいろとまちがえている。

 年末のあの再会は、もう去年になるのか。

 こんなオモシロ学校があるのを発見したことから、話ははじまる。

 「聖なる夜の団結スナイパー学園」

 面白いネーミングだね。

 「団結」

 良い言葉だね。

 「離れ離れになった何かがつながるイメージがあるからかな…?離れ離れになった何か、か…」

 そこでボクが思い出すのは、離れはじめていた家族のこと。

 家族で集まれる日がくるのを願う今のボクは、もってこいの学校かな。

 「スナイパー」

 その響きも、格好が良くて最高!

 「特殊な任務を受け、静かにライフルをかまえ何かをねらう必殺仕事人」

 子どものころ、兄貴に言ったことがあったっけ。

 「兄ちゃん!ボク、大きくなったらスナイパーになってみたい!」

 何とも、子どもっぽい言い方。

 が、兄貴は笑わなかった。

 そんな弟思いの兄貴が、今はいない。

 数年前、家を飛び出していってしまったのだ。

 「まずは、兄ちゃんが本物のスナイパーになってやる!良い学園を、見つけたんだ!」

 まさか、1人きりで進学してしまうとは。

 その良い学園こそが、「聖なる夜の団結スナイパー学園」。

 兄貴は、そのオモシロ学校をどこで見つけたんだろうな。

 それからは、兄貴と直接会っていない。

 たまに家までハガキを送ってくれるので、どこかで生きているのはたしかだけれど…?

 年末、消印つぶれのハガキが届いた。

 「皆、心配しないでくれ!聖なる夜の団結スナイパー学園を卒業して、そこの学校の先生になれたぞ!○○町の○○神社で、皆を待っている」

 父、母、ボクの 3人が、ハガキに書かれた神社に向かうと…。

 「やあ、家族の皆!」

 兄貴が、ニンマリとしてあいさつをしてきた。

 兄貴は、神社で開かれる縁日の射的コーナーで、地元の子どもたちを前にスナイパー教室を開いているようだ。

 なんと、シャレた学校か。

 ついに、家族が団結。

 「兄貴なら、離れた気持ちを撃ってまとめられる力をもつシャレた先生になれそうだね」

 言うと、笑って返された。

 「家族は良いな!今年も、良い年でありますように!」

 シャレてる~!

 でも…。

 ちがうよ、兄貴。

 今日は、大みそかだ。

 まあ、良いか。

 世の中、いろいろまちがえていて楽しいもんだ。

 今年もよろしく!


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