鉄と煙の王国
茹で落花生
プロローグ
王歴1632年 ロペス王国は6年前の
コモー戦争にて勝利し、
ペスネク5世の治世のもと繁栄を迎えた
王国第2の都市アモワールにおいては
人口増加、豊富な鉱山資源の流入や製鉄技術の改良など要因が重なり、
都市の工業化が進む。
これが産業革命の始まりであった
だがそれは全ての者に恩恵がもたらされる
わけではなかった。
アモワール 工場地区にて
「ドアを破れ!」
「神はこちらの味方だ!屑どもに鉄槌を!」
今まさに役所のドアが暴徒化した労働者たちによって破られようとしていた
彼らの狙いは中にいる役人達、
とりわけ税金の取り立て人"メシュタ"だった
市民からの税は
最終的にアモワール領主へと行き着く
それの徴収を一手に担うのがメシュタであり
労働者の怒りの矛先は真っ先に彼に向けられた
そしてこの騒動に巻き込まれた1人の田舎者
"ファーレル"
彼もまた都市での生活に夢を見て
アモワールを訪れた数多もの若者の内の一人に過ぎない
「都市の空気は自由にするじゃないのか...?」
怒号や騒音が響く中、彼は呆然とそう呟いた
その刹那、黄色い閃光が暴徒たちを包み込み、
それが消え去るときには先程までの騒ぎは嘘のように
労働者達は倒れ込み気を失っていた
ファーレルも例外ではなかった。
話は1ヶ月前に遡る
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