第11話
それからどれくらい経っただろうか
まだ頭がぐらぐらするような深いまどろみの中
オーパルは不安げに足早に歩き回る足音を聞いた
重い瞼を重力に逆らって開けると
まさか、そんなはずはと呟くシャリフの横顔
それは見たこともないほどの苦渋に満ちていた
懐から銀色に光る筒のようなものを取り出すと
シャリフはそれに向かって
アヴィラクス語でもベイヤム語でもない
全く別な言語を早口で喋り出した
その筒からは落ち着けとでも言っているのか
宥めるような声音が聞こえた
その宥める声も全く耳に入っていない様子が
いつもは人のなだめ役をしているシャリフとは別人のようで
オーパルの心臓の鼓動が早鳴った
ほんの少しの違和感を感じて
緩々と腕を見ると
眠っている間に虫にでも刺されたのか
ぽつんと少しだけ丸く赤くなっているところがあった
ようやく徘徊を止め
地面に腰を下ろしたシャリフの片手には
まだあの銀色の筒
そしてそこからは絶えず女の声がしていた
オーパルの少女のような声ではなく
艶やかな声音だった
それは何
あなたが話しているのは誰と聞けるほど
覚醒してもおらず
何だか異世界にでも居るような不思議な感覚で
オーパルは再び眠りに落ちた
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