第九章

第九章 スカーレット


 ひとっ飛び……なわけはなかった ちびとはいえ野獣

「止まれ!」

検問に引っかかったのだ

「みたところ……ファイヤーサーバルと雪豹?」

 い……いえ……あの

 な……

 サーバルたん口から煙

 がし!

 私はひっつかんだ!

 びゃ……

 総毛だてたスノウ……

 ジェイクがヒョイと 背負った

「怪しい……待て」

 兵士が上官の指示を仰ぎに戻ったところ……

 そこへ綺麗な女の人があらわれた

「あ……」

「敬礼!」

 は?

 バシ……

 兵士が 飛び出してきて

 横に並び…私の髪を引っ張った

「怪しいヤツを捕らえました!姫」

 捕らえてねーだろ!

 いた……た!

「ひ…………め?」

「そうだ無礼者!」

 兵士が私の髪を引き寄せる

 ちょ……禿げる

「乱暴はよせ!」

 どこの世界に 革鎧のお姫様がいるのよ!

「乱暴はよせ!」

 バシ……

 姫が 鞘に入ったまの剣で 私の髪を掴んでいる兵士の頭をぶん殴った

「げ……!」

 乱暴……って?

 あの……お姫様?

「悪かったな……少女……」

 にっこり……

 彼女は握手を求めて来る

「あ……」

 私は手を スカートで拭うと サッと差し出した

「私はスカーレットだ レニーでいい!」

 きゅ……

 細いがしっかりした手

 この人剣を握りなれてる タコがあった

「痛くはなかったか?」

 なでなで……

 頭を かいぐる レニー姫

 ぐい……

「スカーレット様!まずは何故こんな辺境においでか?王城でおまちでは?」

 ジェイクが 私を奪い返した

「ああ……済まなかったな青年!名は聞いている……ジェイクだったか?」

「気安く姫をレニー様などと呼べません!それから連れを 懐かせようとしないでください!」

 ……懐かせようと?

 まて……私って?犬?

「ふ……聞きしに勝るだなジェイク!」

「どうお聞きになっているのやら……」

「ふ……いい……私はレニー!ほかの名では呼ぶな!姫も要らん!気持ちが悪い」

 兵士が青くなった

「スカーレット様!」

 我が国は 武芸の国…… だがな 魔法が足りない……今回の魔獣はミストドラゴンなのだ!魔法がいる!手伝ってくれるか?

「姫君……内情を そうもペラペラと言うのはどうかと?ミストドラゴンは変化が得意!姫君がドラゴンでない保証は?」

「ばっかもん!」

 兵士達が色めきだった

「ふ……これでもか?」

 レニーは手に短剣を走らせた

 ぴっ……

 赤い血が大地に落ちる

「スカーレット様!」

 泣きそうな兵士達

「レニー!」

 私がすっ飛んで言ってレニーの手を癒す!

「見よ!魔法国の助けだと証明出来たであろう……」

「そして……こちらも……」

 ジェイクが 腰をおる

 お仕えいたしますレニー様

「レニーと呼べ……他の呼び方はゆるさん!」

 

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ラクの旅 古都綾音 @earth-sunlight

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