二人目の花嫁
無事に買い物を終え、家に着き玄関を開けるとリビングから女性が顔を出しこちらに向かってくる。
雅義姉さんだ、亜麻色のシースルーハッシュロングに母さん譲りの整った顔とダイナマイトボディを持つ華の大学生だ。
その美貌と持ち前のあざとさで数多の男が彼女の虜になっているとの事(姉友談)
そんな彼女が二人を出迎えた。
「勇徒にふゆちゃんおかえり~、お姉ちゃんお腹ぺこぺこで餓死しちゃうところだったよ~」
「お邪魔します、雅さん」
「ただいま義姉さん、すぐ作るから待ってて」
「早めにお願いね♡」
「御意」
上目遣いでウィンクしながら頼まれたのでは仕方ない。
早急に作らなければと思いキッチン向かおうとすると‘‘天啓‘‘が聞こえた。
(このおなごが二人目の嫁じゃ)
(マジで言ってんのか!?義理とはいえ姉弟だよ!?)
(義理なら問題なかろう)
(そりゃそうだけどさぁ…)
(それに護る抜くと決めたのはじゃろう?、ならば誰が嫁候補であろうと
関係なかろう?)
(おっしゃる通りでございます…)
まさか義姉さんが嫁候補だとはおもわなかったが、大切な人である事には変わらない。ならば答えは一つ護って娶る!!
義理ならセーフ!!義理ならセーフなのだ!!
そう自分に言い聞かせながら俺はキッチンに向かい冬子と二人で夕飯を作り始める。
そんな俺達を義姉さんがニヤニヤしながら見てくる。
「これが夫婦の共同作業ってやつかぁ~」
「なっ!?なななななななななに言ってるんですかみやびしゃん!!」
「あら~♡ふゆちゃんたら照れちゃってるの?~かわいいんだから~♡」
「照れてませんてばぁ!ユウも何とかいいなさいよぉ!」
「そうだぞ義姉さん!まだ式挙げてないんだぞ!俺達!」
「そうじゃないでしょ!ユウのばかぁ!!」
「ぐはぁ!?」
みぞおちに美しい右ストレートが決まり俺はもだえる。
冬子は耳まで真っ赤にして手をブンブン振りぷんすかと怒っている。その姿も非常に可愛い、可愛すぎる、本当に嫁にしたい、まぁ絶対に嫁にするんだけどね?
そんなやり取りをしてるうちに料理が完成したので、リビングの4人用のテーブルに完成した料理を置いていく。
「わぁ〜美味しそう〜」
キラキラと子供のように目を輝かしヨダレを垂らしそうになっている義姉さんが、席に着くのに合わせて俺の隣に冬子、その向かえ側に義姉さんが座り食べ始める。
「「「いただきま~す!」」」
「う〜ん♡美味しいよ〜ゆうと〜♡♡」
「やっぱユウの作る生姜焼きが1番好き、毎日食べたいくらい好き」
「嬉しいけど、毎日は飽きるだろ流石に…」
「それぐらい大好きってことよ」
優しく微笑みながらそう言う彼女を見てついマイハートがトゥンクトゥンクしてしまう。
愛しすぎるぞマイエンジェル
「冬子が良かったら、明日も作るか?」
「いいの?」
「ああ、俺はかまわないぞ」
「やった! …あ〜そういえば明日バイトあるから帰るの遅くなるんだった…」
目を輝かせていた彼女だが、バイトがあるのを思い出しガクりと肩を落とす。彼女のバイト先は近所のファミレスでシフトは週3日で平日のみ、夕方の16時から夜の9時まで働いている。
「それなら代わりにお弁当作ってやろうか?それなら時間とか気にしなくていいだろ?」
「ホント?、ならお願いします!」
「おうよ!任せてくれ!」
「えへへ…明日のお昼楽しみにしてるからね♪」
「ユウト〜おねぇちゃんも分もお願いしていいかな?」
「わかった。2人分作るよ。」
これだけ期待してもらえるなら、いつもより気合いを入れて作らなければならない。
あしたは少し早めに起きよう。
「それにしても明日のバイトやだな〜…」
「ふゆちゃんがそんな事言うなんて珍しいわね〜」
「バイト先でなんかあったのか?」
バイト先はアットホームな雰囲気で店長も良い人だと聞いていたから彼女が愚痴るなんて珍しい、そう思いなにかあったのかと理由を尋ねる
「同じ学校に狩屋って先輩いるでしょ?最近その人がバイト先に入ってきてさ、2人で遊び行こうってしつこく言い寄ってきてめんどくさいのよね…」
「そういう事か…」
狩屋康(かりや やすし)同じ高校の先輩で、俺らが通う高校の校長の息子だ。
イケメンでスポーツもできるためよくモテるらしく、ウチのクラスの女子達の間でも話題になっていた事がある。
「この前もバイト終わりにしつこく絡んできて大変だったんだから」
狩屋については、裏で逆らった男子を集団でリンチにしただとか、女の子を脅して身体の関係を迫ったなどの悪い噂も聞いたことがある。
そんな奴に彼女がしつこくいい寄られてるなら、放っておくわけにはいかない。
「なら明日バイト終わる時間に迎えにいくわ。」
「いやでも…」
「そうしてもらった方がいいよ〜、そういう男の人ってあとからストーカーになっちゃったりするから〜」
「そうなんですか?」
「私もそういう経験あるのよ〜、でもその時はユウトが近くにいたからなんとかなったけどね〜」
「そうだったんですか…」
「って訳だから明日は迎えいくよ。お姫様に何かあったら大変だしな」
「わかった...ごめんね色々して貰っちゃって」
「気にすんな、大事なお姫様のために俺がそうしたいってだけだ」
「もう…そういう事平気で言うんだから…でもありがとね。」
そのあと、今日学校であったことや事故に遭ったことなどを話し夕飯を食べ終えた。
ちなみに車に轢かれて無傷だと聞いた義姉さんは「いつものことだね〜」と軽く流していた。
もうちょい心配してくれてもよくない???
「今日は本当に色々ありがとう。それとご馳走様、ご飯凄く美味しかった。」
冬子を家まで送り、自宅の玄関まで来たとこで彼女がこちらに振り返りそう言った。
「また食べにきてくれ、義姉さんもそっちの方が喜ぶ」
「うん!じゃあまた食べにいくね!」
「それじゃあまた明日学校でな!」
「あっ、ちょっと待って」
帰ろうと思い背を向けて歩き始めたが、彼女に呼ばれ振り返ると。
チュッ
彼女のやわらい唇の感触が頬に浸透した。
「ふふふ、ふゆこしゃん!?!?」
「これはお礼の先払いよ♪明日もよろしくね♡私の王子様♡」
艶然と微笑みながらそう言って彼女は家の中に入っていった。
「それは…ずりぃって…」
いつまでも消えない彼女の唇の感触を思い出しながらしばらくの間立ち尽くしていた。
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