終章|結論

本報告書では、

怪異と呼ばれた複数の事例について、

記録、整理、検討を行った。

 対象となった現象は、

音、

視覚的体験、

証言の一致、

身体的痕跡、

記録の欠損、

および私自身が体験した事象である。

 いずれも性質は異なる。

異なるが、

共通して言えることがある。

説明を放棄する必要がなかった、

という点だ。

 感覚は錯誤を起こす。

記憶は書き換えられる。

身体は無意識に動く。

記録は完全ではない。

これは例外ではない。

前提条件である。

 説明が完全でない部分が残ることは認める。

だが、それを理由に

怪異という概念を導入する必然性はない。

 本報告書に収めた事例は、

相互に関連しているとは考えにくい。

体系的な異常を示すものでもない。

 よって、

本件については

これ以上の検討を要しない。

________________________________________

 私は、

これまでと同じ手順を踏んでいる。

 記録を確認し、

不足があれば補い、

結論を出す。

 判断に揺らぎはない。

 揺らぎはない。

 同じ行を、

何度も読み返す。

同じ文を、

何度も打ち直す。

 内容に変更はない。

変更がない以上、

問題も存在しない。

 存在しない。

________________________________________

【最終整理】

発生日時:既述の通り

発生場所:記載なし

発生事象:音および記録上の不整合

発生者:

________________________________________

 発生者欄を見つめる。

空欄だ。

 記入漏れではない。

入力ミスでもない。

該当者が存在しないだけだ。

 存在しないものは、

記録できない。

記録できないものは、

判断の対象にならない。

 それだけの話だ。

________________________________________

 私は、

最終結論を再確認する。

 本報告書に記載された

すべての事例について、

怪異性は認められない。

 問題は存在しない。

 問題は存在しない。

 問題は存在しない。

 同じ結論を、

何度も確認する。

確認しているだけだ。

繰り返しているわけではない。

 繰り返しているわけではない。

________________________________________

 本件は、

ここで終了とする。

 終了とする理由は明確だ。

問題が存在しないからだ。

 問題は存在しない。

存在しない。

存在しない。

 以上。

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私はこれを怪異とは呼ばない @yuinokai

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