ひとりぼっちの卒業旅行
蜂蜜ひみつ
第1話
女子四人で計画していた卒業旅行が、十二月になってお流れ決定となった。
そのメンバーで、二年半かけて積立預金をして計画を練り、カナダ横断45日旅行を無事に終えたのは去年の夏。
本当に楽しくて「次は卒業旅行だね」と話していたのに。
一人は初めて出来た彼氏と過ごしたい、と。
二人はそれぞれバラバラだけど、短期ホームステイしたい、と。
どうやら去年のカナダ旅行で、私以外のみんなは旅行熱が燃え尽きてしまった、そんな感じ。
資金も前回ほど貯められなかったのも要因だと思う。
急遽、独りぼっちの長期休暇が確定し、途方に暮れてしまう。
就職活動の忙しさで、私はすれ違いが増えた彼氏とはもう別れてしまっていたし。
快く迎えてくれそうな別のグループが思い浮かぶも、今から入れてもらうのはバツが悪い。
それに向こうも四人組でちょうどいい数だから、五人目は迷惑だろう。
スキューバダイビングのアシスタントや宿の手伝いをしながら、過去二回ほど居候をしたことのある民宿に、いつものように転がり込もうかな、と思案する。
そんなおり、定期的に送られてくる季節の便りが私に届いた。
二年ほど前、仲間と訪れた旅先で馬と触れ合ったことがあり、募金箱に二千円寄付してきた場所からだ。
季節外れの特大の台風被害で、手作りの小屋やらコースやらが壊滅、ボランティア募集、そんな旨の文と写真が載っていた。
よし、これだ!
新年明けたら行ってみよう、唐突に思いつく。
過去たった一時間立ち寄っただけ。
その後の交流もなく、そのときの記憶ですら曖昧なのだけれど。
なぜか電光石火のごとく、ビビっと閃いたのだ。
連絡を取ると、寝泊まり先を自分で確保して来てください、と返事をもらえた。
一月四日、テントと寝袋とキャンプ道具一式を担いで、飛行機で私は独り出立した。
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