第2話
次の日、咲希は彩の友達に関することを少し調べてみることにした。学校の様子や、どんな子たちと過ごしているのか、少しでもヒントが欲しかった。
咲希は娘の小さなリュックの中を何気なく整理していると、ひとつのメモ帳が目に入った。中には、彩が書いたと思われるメッセージが何通も記されていた。咲希は一度、それを目を通してみることにした。
そこには、「あいつ、本当うざい。次、どんな風にいじめてやろうか」――そんな文字が並んでいた。咲希の体が硬直した。
「いじめ…?」
メモ帳の中身には、特定の名前こそ書かれていなかったが、その内容からいじめの計画が感じ取れた。しかも、彩がその言葉を使っていたことに、咲希は大きな衝撃を受けた。普段の彩からは想像もできないような冷酷な言葉が、確かにそこに記されていた。
咲希は一度深呼吸をし、冷静になるよう努めた。娘がそんなことをするわけがない――そう信じたかったが、事実としてそのメモが目の前にある以上、どうしても無視することはできなかった。
その後、咲希は学校のことをもう少し調べてみることにした。直接学校に行き、教師に話を聞こうとも思ったが、まずは彩から自分で話を聞くべきだと感じた。
「彩、最近、何か困っていることはない?」
その晩、咲希はやり取りをするために娘に声をかけた。彩はすぐに微笑みながら答えた。
「ううん、全然。何もないよ。」
しかし、その言葉にはどこかぎこちなさがあった。咲希はそれを感じ取りながらも、さらに質問を続けた。
「ほんとに? あなた、最近元気ないみたいだけど、大丈夫?」
すると、彩は一瞬だけ顔をしかめ、少しだけ視線をそらした。咲希の心に、何か冷たいものが刺さるような感覚があった。彩はその後、すぐに笑顔を作り直して言った。
「うん、大丈夫! ご飯、早く食べようよ!」
咲希はそのまま食事を続けたが、心の中でひとつの疑念が深まるばかりだった。もし、彩が本当にいじめに関わっているのだとしたら、どうすればいいのだろうか? どうして、私の娘がそんなことを――。
その夜、咲希は眠れないまま、悩み続けた。
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