2話
まだ、空が青い。
放課後となり、あたりがざわめく。
すぐ帰るものや、教室に残って遊ぶもの。
今はどちらも羨ましく思える。
『俺は家庭科室にいるから』
放課後残りが確定した後に,そこへ行くことになった。
今は終礼が終わったばかりなのに、なぜあいつは隣にいない?
大体、つまらなくないのだろうか。
家庭科室は、椅子,机,ミシンしかない。
やれる選択肢がまず少ないんだから…。
「お、智田じゃん」
やけに上機嫌な声で、永瀬が話しかけてきた。
「うん」
永瀬は、俗にいう一軍の男、というべきか。
誰とでも仲良くできる性質かあり、クラスの中心に登り詰めた。
こうして僕にも、たまに話しかけてくれる。
「有野んとこ行くの?」
「そう」
有野のことが気になっていたのか。
「そっか、頑張れよ!またな」
何を頑張るのだろうか。
嵐のような速度で遠くの輪に混じってしまった。
まあ、だよね。
そういえば、有野と長瀬が話しているところは見たことがない。
教室からでて、廊下を歩く。
このなんともない景色が好きだったりする。
日の入り方が綺麗なのだ。
がた
突然、全身に衝撃が走った。
肩がぶつかったと気づくまで数秒かかった。
向かい側から人が歩いてきたような。
考えながら歩くと,よくぶつかってしうまうわけで、仕方がない。
あちらがよく見ていればよかった。
お互いさまだ。
右肩がズキズキと痛んだ。
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