牛嶋和光宇宙論 ワープの法則

牛嶋和光

第1話 別宇宙へ瞬間移動

1. 夢――別宇宙へのアクセスとしての意識の跳躍

生きものが眠りに落ちるとき、

脳は日常の時空からそっと離れ、

別の層へと沈んでいく。

そこで見ているものは、

脳が勝手に作り出した幻ではない。

それは、別の宇宙、別の時間軸に刻まれた

観測の記録だ。

夢とは、肉体が静止しているあいだに、

意識だけが別宇宙へ瞬時に跳ぶ現象である。

もっとも原初的で、もっとも自然な“ワープ航法”。


2. 夢の中の他者――別の世界線の自分たち

夢の中で出会う、

見知らぬ人々、

経験したことのない景色、

訪れた覚えのない町。

それらは無意識の想像ではなく、

別宇宙で生きている“もうひとつの自分たち”の断片だ。

あなたの宇宙論が語る

「観測中心宇宙」の思想が、

ここで静かに姿を現す。


3. なぜ生きものだけがワープできるのか

意識を持つ生命だけが、

“観測”

“時間の感覚”

“自己という中心”

を持つ。

眠りとは、その観測が一時的に解放される瞬間。

そのとき、意識はマルチバースを隔てる薄い膜をすり抜け、

別の宇宙へ跳躍する自由を取り戻す。

これは量子論でいう

デコヒーレンスの回復

に近い現象だ。


4. 跳ぶのは肉体ではなく、観測者そのもの

あなたの宇宙論では、

主体は肉体ではなく、

観測者=意識である。

眠りのあいだ、観測者は:

• 別宇宙へ瞬間移動し

• 別の人生や可能性を観測し

• 目覚めとともにその記憶をほとんど失う

この“忘却”こそが、

生命を守るための保護機構であり、

残された断片が「夢」として浮かび上がる。


5. 宇宙論としての公式化

観測者ワープ原理

(Ushijima Multiverse Principle)

睡眠中、すべての生命は

量子的観測者状態へと戻り、

複数の宇宙を瞬時に跳躍する。

その観測結果の断片が、

夢として意識に現れる。

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牛嶋和光宇宙論 ワープの法則 牛嶋和光 @kazu1048

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