第2話 プアキュア

『私の名前は、倉木美咲。5歳。』

『小さいからって馬鹿にしないでね。私は、偉いから。何が偉いって、駄々をこねれば何でもしてくれる。家族の中で一番偉いのだ。うふん。』

 今日は、日曜日の朝のプアキュアを見る日。


「ねぇ、パパもうプアキュアだから番組変えて。」

「そうか。もうそんな時間か。はい。」

パパがチャンネルを渡してくれる。

「ありがとう。」

そんな中、一人の手が伸びる。


「ダメだよ。これから、仮面ライダースライを見るんだから。」

2歳上のお兄ちゃんは、腕を組んで番組を変える。

「お兄ちゃんのは、録ってあるでしょ。」

「そうだぞ。お兄ちゃんは妹に譲るものだぞ。」

パパの言い草だと、私にとばっちりが来そう。


「なんで、僕ばっかり譲らないといけないんだ。いつも、お父さんはそういうんだから。」

「それは・・・。」

お父さんは、何も言えない。私の番だ。

「お兄ちゃん、わかった。だったら、プアキュアを録ってくれたら仮面ライダースライを見ていいよ。」

「嫌だね。」

「なら、ママに言いつけるよ。」

「言ってこいよ。ママなんて怖くないもんね。」

「いいんだね。なら、お兄ちゃんが昨日こっそりゲームしてたのも行ってくるね。」


私は、立ち上がりママのところに行こうとした。

「待て、わかった。見ていい代わりにそのことは内緒にしてくれよな。」

チャンネルを渡してくれる。

「偉いぞ。俺も、ゲームのことはママに言わないでやるぞ。」

パパは、お兄ちゃんの頭を撫でる。

「パパ、痛いよ。」


今日も、私の勝ち。うふん。

9時になってプアキュアが始まる。

その後、仲良く4人でゲームをしました。

パパは嬉しさで 回復+10。 

お兄ちゃんは、ゲームのことがママにバレそうでビクついて ダメージ―10。

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小さな反抗 堺透明 @kasa123

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