第2話 目的

 地下の湿った水が垂れて、雨の用になっている。


 その場所は暗い路地裏のような所に男と女の2人だけ。


「みーんな死んでしもた、オジキも、組も……」


 そう女が呟いた後、男の方を振り向くと、男は何かを決意していた。


「あんただけは……死なんでや……?」


 女は男の手を握り締め目を確認するが、男の目は暗い地平を向いている。


「ニイクラ……ごめん……」


 そういって、女の目を向いて話す。


「ニイクラ……お前は……こっち側になるなよ……」


 握り締められた手を振りほどくと、暗い暗い奥へと男は消えていく。



 砂漠の保安官"サヴァク"彼の銃は中折式の黒いダブルアクションリボルバー、サイズは手の先から腕までの銃、重量は弾込みで10kg、銃弾のサイズは12.7×108mm弾、装弾数は6発。撃つと衝撃が強く、専用の義手と義足がないと撃った反動を軽減できない。

 そして銃にはsgという刻印が刻まれている……


「なぁ〜そろそろ返してくんねかな、俺の銃?」

 その中は机の上に置かれていて、博物館の展示ケースから撮るような形でカメラで撮っている。


 そういうサヴァクはその近くの椅子に座って、顔に本を被っている。


 昨日の件から1日が経った、バーのマスターには事情を説明し、換金所にて金が入ったが後10万どころか、倍の金額払える分の金が無く昨日のそれは30万に膨れ上がっていた。


「はい、大丈夫ですよ。」


 少女が銃を拾う前に、足でサヴァクが銃を拾い、手に持ち変える。


「あんがとさん。」


 そういって腰に着いている銃ポケットの中にその中を入れると、少女は頬を膨らませる。


「なんで、サヴァクさんって、私に銃を触らせてくれないんですか?」


 すると少し間を持って答える。


「そりゃ、お前を地獄へ行かせないようにする為さ、親の教えみたいなもんだよ。」


「じゃあもし、私が銃を持たざるおえない状況になった時、どうするんですか?」


「そりゃ、そうならない用にするだけさ。」

 銃を見てそう言った。


「さっ、仕事だ仕事! さっさと10万取って次の街に行くぞ!」


 サヴァクが体を伸ばし、部屋の扉を開けた時、少女に質問される


「あの!その前に……その中の刻印のSGってなんなんです?」


「それ、聞きたいか……?」


 サヴァクは立ち止まり、振り返る。

 その雰囲気に飲まれ、少女は固唾を呑む。ただ少女の心の中は好奇心でいっぱいだ


 何故だか知らないけれど、この過去をあまり喋りたくないと思っていたサヴァクは、近くの椅子に座ると、話し始める。


「それは、SGセカンドガンズってんだ……」

「セカンド……ガンズ……?」


 少女は初めて聞く言葉に困惑した。


「そう、SGセカンドガンズ、俺の親父が作った銃なんだ。」

 少し俯く。


「そのSGは、何個あるんです?」

 少女は恐る恐る聞くが、その恐怖心は、だんだんと好奇心に変わっていった。


「俺が知っている限りだいたい5丁ある。」


 彼女は少し映画を撮っている合間に、サヴァクの目的が知りたくなってきていた。


「じゃあ、サヴァクさんの目的は、その銃を回収することなんですね!」


「いや、その中の在処はもう知ってる。」


「じゃあ、何のためにたった1人の保安官になったんです!?」


 サヴァクは話し始める。


「俺は、その持ってる奴に用があるんだ……」


 銃を見ると何か思い出に浸っているサヴァクしばらくすると、サヴァクから逆に質問された


「このバーのお代が払い終わったら、次は何すんだ?」


 少女は悩むが、直ぐに答えが出た


「仲間が欲しいです! 交渉ができるような、そんな仲間が!」


 すると下の階のバーから机をひっくり返し、グラスや皿が割れる音が聞こえた、それの少し後に階段を駆け上がって来る音が聞こえてくる。


「おいお前ら、出番だ!」

 

 バーのマスターからそう言われた。


「行くぞ……!」

 今まで過去を思い出して湿っていたその顔は、一瞬にして明るくなる。


「はい!」


 急いで下に急いで行くと、左手が階段のそばに落ちていた。


 目の前を見ると左手を斬られて自分で止血して倒れている男がいた。


「てめぇ! ウィルグの手ぇ斬りやがって!」


 その男の手にはリボルバーが握られていた。


 その男はセンター分けの、縦ボーダーで白と黒の縞模様のスーツを来ており、ネクタイ色も白と黒、ズボンは黒色、見た目からの年齢は26歳位、身長は目測で178cm、髪は黒色。

 もうひとりの連れのこの人の連れの男であろう人は、七三分けで、麦わら帽子を被り黄色のアロハシャツを着ており、短パンで、サンダルを履いている、見た目からの年齢は26歳位、身長は目測168cm

、髪は黒色の長い髪を結っているようなポニーテル。


「先に手ぇ出したんはそっちやろ!ケツ触ってきおって!殺したるわ!」


 着物姿の女の人がそう言った。


 そんな着物姿の女はギザ歯の腰に刀を帯刀している女で、ピアスをゴリゴリに開けている。見た目からの年齢は28歳位、身長は目測168cm、髪は緑色で着物の色と同じ、髪型はポニーテール。


「ぶっ殺す!」


 男がそういって引き金を引こうとした瞬間、いつの間にか2人の間にいた。


「お二人さん、ちょいとお待ちを」


 その両手にはリボルバーが握られて、銃口は、2人の頭を狙っている。


「んだ? てめぇはよォ!」


 男は銃口を向ける方向を着物姿の女じゃなく、サヴァクの方に向けると、その男の首が落ちる。


 サヴァクは2人の事をよく見ていた為、女の方が刀を抜いていた事が見えていた、それを見たサヴァクは、間一髪で屈んで斬首を回避した。

 刀を鞘に収める音がする。


「アカンでおっちゃん、敵が目の前おんのに目ぇ逸らしちゃ、それに比べて、あんたは反射神経ええなぁ!」


 サヴァクはそんな女に方をぽんぽんと叩かれる。

 左手を斬られた男は錯乱し、自分が持っている銃を右手で打ち始めた。瞬間、サヴァクの普通のリボルバーによって殺された。


「何があったんだ?」


 睨みながら話す


「こいつら、私のケツ触ったんやで! そりゃぶち殺すわ。」


「なるほど……そりゃ仕方ないか……」


 呆れた声でそう言った


 「さて……こいつら、どーすっかな。」


 それを言った時サヴァクは死体を外に持っていく。


「ちょーまてや!」


 そうしようとした時、サヴァクは引き止められる。


「ンだよ」


 引き止められたが、またすぐにその死体を引きずりながら外へ出ようとする。


「あんた、『ギル』っちゅう男は知ってるか?」


 サヴァクは立ち止まってその女の方を見る。


「なんで、あんたがギルを知ってんだ」


 ギルというのはなんとなくだが、人の名前というのはわかる。何故、サヴァクはここで立ち止まるのかもわかる。さっき話した、『SG』関連の何かだろう。


「お前……何もんだ……?」

 そういって女の頭に銃を向け、何時でも引き金を引けるように指をかけている。

 女の方はそれでも平気な顔で、その銃の先を持ち、手で銃口を逸らす


「別に話すんはその死体の処理が終わってからでええか?ワイも飯食いたいし。」


 そう言って元々座っていた席に座りまだ残っていた食いもんを食っている。


 サヴァクは迷うが、少女を呼び、外に殺したやつらの遺体を30分くらいかけて埋めると、その女が座ってる席の対面に座る。


 女は何かクリームが付いているフォークでサヴァクを指す。


「まず何が知りたい?」


 その女は足を組んで座っており、机にはケーキとコーヒーが置いてある。

 サヴァクの方は机に肘を付き握り拳に顎を乗せている。片手は何時でも撃てる用に銃を触れている。


「全部だ……! 全部……!」


 ケーキを口に入れフォークを置き、口に入ったケーキを飲み込むと、喋り始める。


「ワイの名はニイクラ、この砂漠を旅しとる。」


 銃を出そうとするが、ニイクラの方も同じように自分の刀に手を置き始める。冷戦状態が続き次の質問をする。


「何処で、ギルの名を知った……?」


 片手を着物の中に突っ込むと紙を出す。その紙には何か文字が書かれているが、少女はそれが全く読めなかった。


「何が……書いてあるんです?」


 少女がそう言うとサヴァクは銃を抜き、銃口をニイクラの眉間に当てる。


「お前、この字はギルのもんだ……! お前は、一体何者だ!」


 そう声を荒らげてそう言うとニイクラは両手を挙げる。


「そりゃ1回殺されかけたんや、そんときに落とした紙を後から拾った、それだけや。」


 そう言うがサヴァクは銃口を下ろさない。その光景をずっと見ている少女は困惑する、あの紙には何が書かれていたのか。ただここで声を上げれる様な空気では無い。


「その話、本当なんだな?」


 そう言うと、眉間に向けられている銃口は少し下がっている。


「ホントやホント、見てみこの傷」


 そういって腕を見せるとその腕は火傷を負ってる様な皮の爛れ方で、まだ皮から剥がれた肉が見える状態だった。


「これで、治ってきてる方なんやで」


 少し俯いているが、何処か微笑んでいる。


「悪かったな……」


 そういってサヴァクは自分たちが宿としていたバーの2階に少し足早で行こうとする、少女はニイクラに対し、頭をペコリと下げてサヴァクの後ろをついて行く。

 するとニイクラ後ろを向き、呼び止める。


「なんであんたは……そのギルを追ってるん?」


 少女はその事をを聞かれて、サヴァクの空気が重くなったが、それと同時に好奇心によって、少女の空気が軽くなって行くのを感じる。


「あいつを……殺したいんだ。」


 サヴァクは顔が見えないほど俯くが、歯を食いしばるのが少女には見えた、目にはキラキラと光が反射していたから、涙を流していたのかもしれない。拳を握りしめるのも見えた。


「ほんなら、ワイと同じやな」


 そういってニイクラは席を立つとサヴァクに近付き目の前に立つと、手を差し伸べる。


「握手や握手、あんたとワイは同じ目的で旅しとる、ここは手を握り合って、協力し合おうや。」


 そういって2人は握手を交わす、サヴァクと握手し終わったニイクラはそのまま少女にも同じように手を差し伸べ握手を交わした。

 するとニイクラは小声で2人に囁く。


「ほんなら夜、時計が1時になった時、この街の宿ターニング前で落ち合おうや。」


 そういってニイクラはこのバーのお代を多く払い、「釣りはいらない」と言って宿へ向かっていく。



 この日のバーは死人が出たため、その死体をもう少しバレにくいところに埋めるという事で、午後3時くらいから休みになった。そこからバーのマスターを含めた3人で、埋めた死体を掘り起こし、また別のところに埋めた。


 2人は夕方になると自分達が寝ていた部屋で今日の夜の事を話す。


「どうします、サヴァクさん……?」

 

 そう言う少女は心配そうな目をしながら不安そうな声でそう言った。


「……そんな心配して、どーしたんだよ」


 サヴァクはあれからずっと何処か放心状態だった、今もSG製の銃をベットの上で、仰向けで寝そべって見ている。


「だって、もしあのニイクラって人がその『ギル』って人の仲間だったら、殺されるかもしれないんですよ!」


 そういってサヴァクに近づくと、サヴァクは起き上がって頭を撫でるように掴む。


「あの時出された紙、読めなかったのか?」


 そういって話し始める。


「あれは、俺に対する予告状みたいなもんだ、人を殺したという予告状。」


 そう言ったサヴァクのもう片方の手は強く握締められていた。


 そう言っている間に夕方から夜に変わる。


 一応、出る準備はしているがまだ彼らはあそこへ行く決心は出来ていなかった。


 

 そのまま、その時間となった


 バーのマスターにバレないようにこの部屋の窓を開けてサヴァクが先に2階から降りる。両足の先端と、裏の踵辺りに鉤爪の様なのが飛び出ている。それが硬い地面に突き刺さると、ペグの用になり、簡単には抜けないようになる。


 そのまま少女を受け止めるような形をとると、荷物が入ったカバンを持っている少女も2階から飛び降りる。

 ちょうどいい感じに、サヴァクに受け止められ2人はニイクラが待つ宿に走って向かう。



 宿の近くに来ると、ニイクラが宿の前に、一人でたっていた。


 両手には大きなカバンを持っており、腰には刀が帯刀されている。


「嘘じゃ、なかったみたいだな……」


 そうサヴァクは言って辺りを少女と共に見回す。ニイクラは少し笑う。


「そりゃそうやろ、あんな事書かれた紙持ってるやつが、あいつと仲良いわけないやろ」


 そういって街の外に向かって3人は歩き始める。


 この3人が揃った事で、3人の運命の歯車が回り始める。2人は復讐を果たすため、1人はきっかけとしての。ただ、この旅によって、3人のうち2人が死ぬ。この旅は、誰かが人生を決める旅である。

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