SABAKU
あいうえお
第1話 砂漠
王宮のような場所から外を見ると、近代科学の武器によって、中世の騎士や兵が殺されていくのが目に見える。
「やはり……我々人類は、手を取り合うべきだったのかもしれない。」
数万年前、国はひとつだったが巨大な地震が起き、科学力の西、資源の東に別れる分断が起きた。そのまま、資源や科学力の独占という考えが互いの国で生まれ、戦争が起きたが、結果は東側の負け、その国王や生き残りは、砂漠となっている外で暮らしていった。
「青く、水平線が広がる海、今では昔の話、今では、海や水は都市部の物となり、都市部に管理されている。都市部の外では、飽くなき砂漠の地平線が広がり、
「ちょっと!ナレーションなげーってのよ!」
かき消すようにカメラに映る男がそう言った。
そのカメラに映る男は、ショートツーブロックの金髪で、べージュのコート袖の長いを羽織っている。
「少しくらいいいでしょう! 映画には設定が必要なんですから!」
カメラマンの少女はそう言った。
この少女は黒髪のボブカットで持っているカメラや服は、ここではあまり見ないもので何処からか盗んで来た服やカメラと言う事がわかる。
「だけどさぁ、俺映画ってのそんなに見た事ないけどさ、そういうのって、キラキラしてて、パァーっと明るいものでしょお、目の前にいる
今そんなことを言っている彼らは3人組の盗賊に囲まれている。
「何グチグチ喋ってんだこのボケども!」
いかにも見るからに盗賊のボスの様な男が唾を飛ばしながら怒っている。
「そう怒んなってのよ、何でこう待てないのかねぇ」
頭を少し搔くと、腰にかかる銃に手をかける。
相手も同じように腰にかかる二丁のクイーン・アン・ピストルに手をかける。
「いつまで待たせてんだこのボケェ!そんなにミンチになるのが待てねぇなら今すぐしてやるぜェ!」
左指を刺し怒っているが、直ぐに腰にかかっていたクイーン・アン・ピストルを二丁取り出し、男の方に向けてくる。
「ミンチ? 精肉所に行くのはお前だろ、豚」
「死ね!」
カメラに映る男の方は、ベージュのコートを脱ぐと、蛇の様な関節がある義手が顕となり、巨大な黒い銃を腰から取り出し、相手に撃つと轟音が鳴り響く。
敵が先に撃ったがその音は男が持つ巨大リボルバーが放つ、銀色の弾丸に敵の弾丸がぶつかったのが見えた。
が、銀色の弾丸の方が、威力も風圧も何もかも強く、敵の弾丸が跳ね飛ばされ、敵のみぞおち辺りに命中する。
男に機関銃で見るような風穴が空く。撃たれた肉の周りはミンチのようになっている。
それを見た、敵の取り巻きふたりは、背を向けて急いで逃走する。
ただ、それを巨大な黒いリボルバーを持つ男は許さなかった。
普通のリボルバーを二丁取り出すと、敵の取り巻き2人を見事なヘッドショットで同時に殺した。
普通の少女が見たら戸惑い、恐怖で後退りするような光景だが、この少女は希望を持ち、純粋な笑顔に近い顔になった。
(良かった、本物の……たった一人の砂漠の保安官のサヴァクさんだ……)
2人はまだ出会って1ヶ月であり、まともな戦闘を見たことない少女は、彼が本当のサヴァクであるから確証が持てなかったのだ。
そのまま殺したやつの銃を拾い、首を切り、布に包んだ。
「行くぞ!」
そう声を掛け、30分から1時間かけて近くの換金所へ向かった。
「今回の標的は、あいつだ……」
2人を双眼鏡で覗き、狙いを定める男も後を追っていく。
殺したやつの銃や顔、手配写真をドンとを机の上に置くと、換金所にいる店主の老人は驚いたが、直ぐに、銃や顔、ルーペのような物で瞳などを、一通りじろりと見る
「たしかに……この手配書に写っている、この辺一帯を荒らしてた盗賊だね。」
ルーペのようなものを机の上に置く。
「3人の筈だけど、残りの2人はどーしたのかね?」
神妙な顔で聞く。
「ヘッドショットで殺しちまって、脳が漏れ出てきてて、面倒なんで持ってこなかった。」
サヴァクの顔は面倒くさそうな顔をしている。
「んで? 報酬は?」
クルッと顔を変えて、瞳をキラキラさせる。
換金所の老人は金が入っている金庫を開ける
「一人だけだからね、少し報酬は少なくなるけどいいかね?」
振り返って2人の顔を確認するように言った。
「ダイジョ〜ブ」
親指を立てる
少女はたっているが、サヴァクは机の近くにあった椅子に、足を組んで座っている。
すると机の上に輪ゴムで丸く絞られている札束3つと、2Lの水が入ったペットボトル4つが渡された。
店主の老人は奥の部屋へ移動していく。
「ちょっとおじいちゃん? 一人だけの報酬でこれはすこーし多すぎるんじゃねぇか?」
すると老人は奥の部屋に行き、資料を持って戻ってくる。
「少し多く持ってきたのは依頼金だ。」
「依頼金?」
持ってきた資料を開く。
「最近……スラムの奴らや砂漠街の奴らが射殺されている。」
「……なるほど。」
「この犯人、わかるだろ……?」
写真を見せると、そこに映るのは、金色のグロックを持った、成金のカウボーイが写っている。
「これ、都市部の野郎がだろ?」
「あぁ……」
「一体全体、こいつに何されたんだ?」
そうサヴァクが言うと、老人は下を俯き、少しは間を置いた。
「コイツに、砂漠街に何とか住むことが出来た娘が殺されたんだ……!」
少し恨みで興奮する老人を抑えながら言った。
「……わかった。ただ、報酬はコレの倍弾めよ?」
「わかった……」
サヴァクと少女は去ろうとすると、老人に声をかけられた。
「まだなんかあんのか?」
振り返ると、ふたりは老人に手を握られる。
「一つだけ……注文がある……」
老人はより2人の手を握り締める
「どんなやつだ?」
そうやって聞くと、
「そいつを、殺すな……」
「そりゃなんでだ?」
「それは----」
サヴァクと少女は夜、街のバーにいくと、少女はチーズが良いように焦げているラザニアや卵が上に乗っているカルボナーラ、本格的な具材が乗っているビザを、サヴァクが頼んだのは酒だけだった。
そんなサヴァクを見て、料理を抱え込むように少女は「あげませんからね!」と言うが、サヴァクは食う気がしない。
「
少女が食う机の上は食べカスで食い散らかされていた。
スプーンやフォークの持ち方は、握りしめるように持っていて、ピザを手に持って食うと、めんどくさいからだろうか知らないけれど手で食うこともしばしばあった。
「そりゃ良かった……」
そんな光景を横目にサヴァクは酒を一気に飲む。
年齢は18歳であることから酒を飲む事は法律で禁止何じゃないかと思うが、誰も指摘する者はいない。
しばらく酔いも回って、気分が良くなって来た時、少女も料理を殆ど食べ終わる。
「他にもいろいろ頼んでいいですよね!」
キラキラした眼差しでサヴァクの方を向く。
「どんどん頼め!」
そのままその調子で1時間位食べたり飲んだりしていた。
「マスター! 早く酒!」
その机の上は、空いたグラスが倒れていたり食べカスがちっていたり、散々な机の上だ。
サヴァクの顔はさっき戦った敵の起こった顔より全然真っ赤に染まっている。
「飲み過ぎですよ! お金! ここで全部使うつもりですか!」
サヴァクのコートを思いっきり引っ張り外に出そうとする。
「飲みすぎィ〜そんなわきゃねェだろぅ〜?」
そんな事を言うが普段よりも呂律が回っていない。
「少し外の空気吸いましょ!」
「馬鹿野郎、まだこれからの祝砲とォォ〜、依頼者の娘の献杯がァあ〜済んでねェ〜じゃねぇか!」
「じゃあそれ済んだら行きますよ!」
結局2時間居ることになった。
「見えますか?目の前に何がるか分かりますか?」
「なんか……扉がある……?」
そういうとサヴァクの顔が真剣になる。
「? ……どうしたんです?」
「ごめん吐く」
「吐くんだったら物陰で吐いてきてください!」
店のそばの路地裏に突き飛ばされた。
「あ゛ァ〜」
酒が喉の奥に詰まったようなガラガラ声を出すと、直ぐに声が元に戻る。
「いるんだろ……?」
目は敵を見るような目になる。
「あんた……ただもんじゃないですね。」
裏路地の奥から、街灯のあるとこまで歩いてくる。その男の顔は、あの写真と同じ顔で、腰のベルトにかかっている銃は、街灯に照らされキラキラと輝きを放っている。
「お前……都市部住みの野郎だろ?」
「何故?」
「そんな成金みたいな銃引っさげてる奴が、スラムなわけねーだろ!」
そういうように、そいつの見た目は、成金のカウボーイのような見た目で、彼が持つグロック16発の拳銃で、何の優位性も持たないようなアタッチメントがなされており、純金で出来ているような金色である。
歳はサヴァクと同じように見た感じ18歳程、身長は目測172cm程で、性別は男。
「そんなお前が何の用だ?殺気だだ漏れだけど?」
煽るようにそう言う
「最近、都市部で流行っている遊びをしに来たんだ。」
全てを察し、男を睨みつける。
「そりゃなんだ?」
「
「ハンティング?でもこの辺は1匹しか鳥はいねーぜ?」
そいつは口に手をあて少し微笑むと少し睨んで問いかける。
「それは……どんな鳥だい?」
互いにベルトにかかる銃を手にかける
「アホウドリだよ……」
サヴァクハ俯き顔を見せない。
「そんな鳥……どこにもいないが……?」
そいつは困惑している。
「テメーだよ、アホウドリは!」
そういうと2人は手にかけた銃を上げ、引き金を引く。
ただボンボンは銃につけた、意味の無いアタッチメントのせいで8発撃ったが当たらない。それに純金なのが足を引っ張り、無駄に輝きを放つせいでまともに狙いが定まらない。
「そういう意味でアホウドリなんだよ、お前は。」
サヴァクの持つ黒く巨大なリボルバーを撃つと、高台から鉄骨を落としたかの様な鈍く、響くドーンという音がする。
その銃弾はそいつの耳を抉るように耳が吹っ飛ぶ、耳の穴からは鼓膜が破れたのか血が流れている。
「……ッ!」
ボンボンは屈んで抉れた左耳から滝のように溢れ出る血を手で押さえる。地面には、そのえぐれた左耳が落ちている。
「どうしたんです!一体何が……」
少女が慌ててひょこっと顔を出す。
「コイツだろ? 標的は。」
親指でそいつを指すと睨みつけてくる。
「標的って……まさか……」
少女は空いた口を手で押えて、唖然としているが、何か迷っている。
「あぁ、そのまさかだ。」
サヴァクは俯いているため、その表情が分からない。
「でも殺せないんじゃどうやって?」
そういって、質問をするとサヴァクはカメラを指さす。
「そいつがあんだろ、そいつが!」
しばらくすると、ぞろぞろのバーの中にいる客が野次馬根性で見に来た。
「行くぞ。酔いが冷めた。」
少し後ろをむくと、成金のカウボーイは何処かへと消えていった。
「どうします?追いますか!」
「いや……いい、依頼人のそれは達成できたんだ。」
少し前に依頼人の老人に言われた言葉を思い出す。
「そいつを……殺すな……!」
震える手で、2人の手を握り締める。
「そりゃなんで?」
ふたりは困惑すると、老人は震えた声で言い始める。
「娘は最後……死ぬ直前……レイプされて死んだんだ!だからこそ……! 死ぬ事と同じ位の恐怖を、与えて欲しいんだ!」
泣きながら2人の手を強く握り締めている。
「わかった、んじゃ、そーするよ。」
そういってふたりは換金所から出る。
「それじゃあ早速! 換金所の方へ行きましょう!」
少女がそう言って、換金所の方へ行こうとした所、バーの店主が現れる。
「おい! お前らァ! どこ行こうとしてんだ!」
「これから換金所に行こうとしてんだよ!」
サヴァクが怒りながらそう言うと、お代が書かれた紙を突き出される。
「じゃあまずこれ払ってから行け!」
お代が書かれた紙には、依頼金では払えない程の金額が書かれている。
すると2人はその場にしゃがみ、小声で口が見えないように手で隠しながら会話しはじめる。
「なぁ、確か貰った依頼金は30万、倍になったとして60万……書かれている代金は何万かわかるか?」
「……ナナジュウマンです……」
少女はパニックになって、何か線画がカクカクの、ブリキでできたロボットみたいなカクカクさになっている様だ。
「……どーする……?」
「……」
2人は見つめ合い、心が通いあってるかの様な、そんな感じで同時に頷くと、少女は立ち上がりバーのマスターにお願いし始める。
「このバーって……用心棒と皿洗い……雇ってますか……?」
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