第4話 4.留守宅進入



 どうやら女だらけの世界に飛ばされたロリコンの俺だけど、最初に出会ったのが中学生の子達。

 異世界に来てほんの30分で“やってみたい事リスト”の上位を叶えてしまったよ。


  貯水池に付属したポンプ室、パイプをベンチにしてこの世界の情報を集めている。


 ▽


「それじゃ、男の人はみんな特別な場所にいるんだね」


「そうだよ、たくさんの女の人に囲まれて生活しているんだよ」

 優等生タイプの加奈子かなこちゃんが得意げに言う。


 俺には死活問題、女の人に囲まれるのは構わないけど、ロリコンを許容してくれるのだろうか?


「あのさぁ、男の人の周りにいる女の人はどんな顔かな?」


「そりゃ、美人さんに決まっていますよ」

「大人っぽい顔じゃないと選ばないですよ」

「この前テレビで見たよ、高校生だけど、みんな大人の顔だったよね」


 これはマズイ。

「他には何かあったかな?」


「あとはー、1級で、オッパイが大きい人じゃないとダメだって言っているよね」

「そうそう、みんな、こんな感じだよね」

 両手で大きな胸を表現する真由美まゆみちゃん。

 これはマズイ、俺には大人の女は無理だ、大人顔はダメだ。


 ロリコンの俺だが、顔がロリ顔なら巨乳もギリ許容範囲、部屋のカレンダーはロリ顔巨乳グラドルだ


 大学で同じ性癖の友人が出来たけど、彼は真性のロリコンで、12歳以下じゃないとダメだそうだ

“ロリ顔グラドルも有りだよ”

 と言った俺とは、それ以来話をしていない。

 オタクは守備範囲が近ければ近いほど、僅かな違いが気になって、無駄に争う生き物なんだよ。



 せっかく女子中学生が無条件で“ご奉仕”をしてくれる世界に来たのだ、頑張ってこの子達との時間を作ってみよう。


「あのね、俺は男なんだけど、その男性居住区って場所には住みたくないんだ。

 当分の間このポンプ室に住もうかと思っているのだけどね」


「ダメですよ、お兄さん」

「そうだよ、こんなところにいたら蚊に刺されちゃうよ」

「あの、わたし達の秘密の場所があるんだけど、そこはどうですか?」


加奈子かなこちゃん、あの家にお兄さんを案内するの?」


「大丈夫だよ、あそこだったら絶対にバレないって……」


 三人でヒソヒソと相談をしていたけど、話がまとまったようだ。



 加奈子かなこちゃんが俺に言う。

「お兄さん、わたし達の隠れ家に案内します、普通の家ですけど、家主さんは出張で年末までは帰って来ないはずなので、時々わたし達が使っているのです。

 結構大きな家ですけど、本当なら留守の家なのであんまり大きな声は出せないのですよ、そこでよかったら……」


「分かったよ、静かに過ごすから案内して欲しいけど、加奈子かなこちゃんは鍵を持っているの?」


 優等生は俯いて。

「ママが貸してくれたので」


 ああ、これはコッソリ持ち出したんだね、だが今はこの子達しか頼れる人がいないのだ、降って湧いたロリ天使達を手放すわけにはいかない。


 ▽


 貯水池の横にあるけもの道を歩いて行く俺と加奈子かなこちゃん、他の二人は一旦自宅に帰って食料品を持って来てくれるそうだ。

だが俺には、気になることがある。

「あのね、訊きたいのだけど、その家には監視カメラとかは無いの?」


 俺の言葉に優等生の加奈子かなこちゃんも目を白黒。

「無いと思いますけど…… 監視カメラって何の監視?」


「お店とか、人通りが多い場所にカメラが有って、変な人がいないか監視するカメラだけど、知らないかなぁ」


「それって、男性居住区の話しじゃないですか? 初めて聞きましたよ」

 ここは犯罪の抑止よりも個人のプライバシーが守られた世界なのだろうか。


「そう言えば加奈子かなこちゃん達の学校はスマホは持ち込み禁止なの」


 俺の質問にまったく分からないと言う表情の中学生。


「ああ、言い方が悪かったか、スマホじゃなくて携帯、携帯電話の事だよ。

 もしかして大人しか持っていないの?」

 親湯と小指を伸ばして、電話のジェスチャー。


「あのですねぇ、電話は家に有るだけですよ、外で電話をする時には公衆電話を使いますけど、携帯電話って言うのは知らないです」


「どうして! もしかしてパソコンとかも無い訳じゃないよね……」



「もうすぐ隠れ家です、静かにしてください」

 加奈子かなこちゃんが注意を促す。



 だんだんと地形が理解出来て来たぞ、台地の谷間に貯水池と公園が有って、俺たちは台地の上に向けて登って来た。

 この上には宅地が広がっているのだろう。

 それにしても、スマホもパソコンも無いなんて昭和にタイムスリップじゃないんだから。


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ロリコン昭和に転生 アイディンボー @miguel92

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