50年後

　裸で駆け抜ける、緑の公園。

　いつの間にか、私は小学6年生の姿に戻っていた。

　そしてなぜか、友達たちも小学6年生の姿に戻っていた。みんな肌色をした裸と変わらない、服を着ているか着ていないかわからないような格好をしていた。みんな公園のなかで遊んでいた。青い空が澄み渡り、太陽が眩しい。

　みんな微笑んでいる。目尻が下がり柔和な表情をしている。

　でも僕が裸なのに、誰も驚いていない。　

　そしてなぜか、僕も恥ずかしくない。

　かえって、気持ちいい感じだ。

　恥ずかしさも微塵もない。

　心地よい。

　ただそれだけだ。

　そして、いつの間にか、大講義室にいた。

　講師はあの有名な芸能人。

　僕たちと変わらない、裸の服を着ていた。

　50年前に放送された青春アニメについての講義だ。

　努力、嫉妬、恋愛、青春、失恋、受験、部活。　　

　当時の日本の高校生は何かと忙しそう。

　でも、そういう感情になれるの、楽しそう。

　僕にはそんな感情ないなぁ。　　

　楽しそう。

　そして僕はいつの間にか、シャットダウンして、遊ぶのをやめた。