レガート王国物語

鳴川めーこ

第1話 双子の生誕

僕達は2人同時にこの世で産声をあげた。


そこは、東の森の奥深くだった。


父と母は信じていない神に祈りと感謝を捧げていた。


僕は今この顔を知るよしはないけれど。語っておく。


僕は今、姉の少し後から声を出して、薄い碧眼の瞳を母から譲られた。少し経てば、銀の髪も美しく映えるだろう。

姉もまた、共に。今はまだかえりみることもないが、美しい黄金の瞳を父から与えられた。同時に赤い赤い紅の髪も。



時はずっと同じくらい流れた。


森の生活はぐるぐる渦巻くばかりだった。

春には薬草と狩の獲物を。

夏には、川で採れる魚を。

秋にはまた獲物を。冬にはその獲物の塩漬けを。


10年の頃。


僕達は両親を失った。

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レガート王国物語 鳴川めーこ @NaruMeeko104

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