新しいカフェに行く
超町長
第1話
「久しぶりだなカフェなんて」
「新しくできたって聞いてさ。本格的らしいんだ。ここら辺あんま行く所ないしな」
「めちゃくちゃ高かったらどうしよう」
「一杯も飲めないなんてことはないだろ」
一緒にいる友人は身長185センチ、体重100キロと大柄だ。対して俺は平均的な体型なので並んで歩いていると若干凸凹感が出ているかもしれない。いずれにせよ俺たちはカフェでクールにキメるスラっとしたお兄さん像からは少し遠い。物見遊山感覚で失礼する。
少しして店に到着した。
「いらっしゃいませ」
「エスプレッソ一つ」
「エスプレッソですね。お会計900円になります。お次のお客様どうぞ」
「カフェオレ一つ」
「アイスカフェオレですね。お会計800円になります。」
ケーキかドーナツも頼むのが普通なのか疑問に思いながら、そんなことは気にも留めていないかのように席に着いて飲み物が来るのを待つ。
「混んでないね」
「うん。しかも店員さんが北川景子に似てた」
「お前北川景子は盛り過ぎだろ」
落ち着いて店内を見渡すと年季ものの看板やちょっとした雑貨などがあちこちに飾ってある。悪くない雰囲気だ。ついでにケーキやドーナツを頼んでない客がいることを確認した。
「お待たせいたしました。エスプレッソとアイスカフェオレになります。ご注文は以上でよろしかったでしょうか」
「はい」
(いやエスプレッソ小さいな)
友人がエスプレッソの入ったカップをつまむ。
(いくら図体がでかいとしてもエスプレッソが小さくてコントラストがヤバい)
「どうした」
「いや、カフェオレの味が意外だった」
「意外ってそんなことある?」
(コントラストがってなんとなく言いにくいな)
「あとエスプレッソちっさいなって」
「たしかに」
そう言って一口で飲み干した。もうちょっとちびちび飲む物なんじゃ?。その後俺はゆっくりカフェオレを飲んで店を後にした。
「エスプレッソが小さかった」
「?ああ」
「量を少なくすることで本格感を出してるんだとしたらせこいよな」
「検索したら店によってはあれくらいの量らしいよ」
「これは一本取られた。仮定が偽か。本格的な店に行ったことがないものは本格的なものがわからない」
「そうとも言えるかもな」
新しいカフェに行く 超町長 @muravillage
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます