第6話 女神の殺し方
みんなどうやって僕がこんな気狂い1歩手前の依存状態からここまで戻って来れたかちょっとは気になるでしょ?
ここから先は地獄からさらに地獄への道になるから楽しんでね。
僕の中で女神として彼女を崇め始めてから何ヶ月か経った。
この時の僕は当たり前だけど、彼女が絶対的な存在ってのは変わってない。
じゃあどうやって変わったかって?
前述の通り僕は、家族や友人に悩みを話せない性格だ。
だからひたすら"また"自分自身と話した。
でも今回は少し違った
完膚なきまでに自分を殺す事にしたんだ。
人間って意外と面白い物で、自分自身を殺すのは案外気分がいいもんなんだよ。
それも自分自身が嫌いな時は特にね。
だから殺した、全てを否定した、何もかも、存在も過去も、未来も、「お前は何も成し遂げられない、誰にも愛されない、みんなお前を迷惑で早く死んで欲しいって思ってる」って考え続けた。
そんな事考えながら生きている自分に嫌気がさしてた。
だって自分は生きてる価値がない、誰にも愛されてないって思ったら何を希望にして生きればいい?
答えは1つ 神だ
僕の場合は女神様だったけどね。
「あぁ、慈悲深き女神様よこの哀れで惨めな私めに救いの手を」
もちろん救いの手はない。
あるのは現実のみ。
だからさらにもっと自分自身と話す事にした。
"なんで自分に死んで欲しい?どうして自分が嫌い?"
"誰にも愛されてない、何も成し遂げられない弱い自分だから嫌い"
この時気がついた
僕は他人軸で生きてるんだって
僕は常に他人に頼って甘えて生きてきた、その最たる例が彼女だ。
彼女を心の中で神格化して、存在すらしない理想の女性に仕立て上げ、押し付けてたに過ぎない。
彼女の幸せを願ってた?いいや違う、彼女の幸せで自分の価値を測ってたに過ぎない。
彼女を幸せに出来ない、出来ないなら自分は最低だって思い込んでただけでしかない。
そして今はその彼女が目の前から消えて無くなったから、理想の彼女を創り出して崇め始めたに過ぎないってね。
でもこの考えを思い付いただけでは意味がない。
実行しないと行けなかった。
彼女の幸せの為に手放したなんて心のどこかでは思ってた、でも違う、手放した気になってただけに過ぎない。
だから殺した。無理やりでも心から離すために。無理やり手放なさせたんだ。
そして自分の理想と夢を無理やり過去の彼女に押し付けて作り出した女神様を何日もかけてゆっくりと殺した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます