第6話
放課後、ファミレスでいつものようにふたりで駄弁っていると、
スマホ片手に
「私、先週男子に告られて、それで付き合うことにしたわー」
もう本当、びっくりするぐらい軽い口振りでそんなことを言い出した。
「へ、へぇー、そうなんだ。おめでとう……」
語尾につれて、声量が落ちてしまったのは隠せなかった。
祝福はしたつもりだった。
「うん、ありがと。あ、でも彼氏できたからって
「は、はあっ? わたし別に寂しそうな顔なんてしないし!」
「そう? なんか、おやつ没収された子犬みたいにしゅんってしてたから……」
どんな顔してたんだ、わたし。
試しにつねってみると、何気にその痛みだってリアルに感じた。
痛覚があるということは、どうやらこれは夢ではないようで。
……自分の親友に彼氏ができたのは、夢ではなく現実の出来事らしくて。
そこに気付くと、次に
自分が一番特別に思ってきた存在——
そう考えただけで、これまで自分のそばにいてくれた
——だけど。
だけど結局は、自分が大切に思っている親友が下した決断なのだから。
「……別に寂しくなんかないよ。わたし、
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