『政略結婚を強いられた私。でも仮面の夜、運命が変わった』
@dayxwrite
プロローグ
禁じられた地の向こうに、何があるのか考えたことはある?
そこは、霧がただの水蒸気ではなく、変幻の獣たちの凍てついた吐息だと囁かれる世界。
湖は空を映すのではなく、不死なる存在の秘められた魔力を映し、
そして――昼の光は、空に届く前に死んでしまう場所。
摂政たちは、その地について語ることを禁じている。
父も禁じている。
そして近いうちに、私の未来の夫――
(王国の「安定」のために、物心ついた頃から決められていた相手)も、
同じように禁じることになるだろう。
けれど、私は……私は違う。
私の好奇心は、どんな勅令よりも強い。
確かに私は公爵家の血を引いている。
けれど、この心は冒険の鼓動に揺さぶられ、
王国の果てに潜む敵たちへの恐怖と共に脈打っている。
私の最大の願いは、
生まれた瞬間から奪われ続けてきた自由。
それは、残酷な運命によって禁じられた願い。
こんにちは、忠実なる旅人たち。
テラノヴァへようこそ。
ここは、夜明けまで酒を飲み明かすこともでき、
そして、最も思いもよらぬ瞬間に死ぬこともある場所。
私はマリアム。
コーンウォール公国の摂政である公爵夫妻の娘。
そして――
これは、真実を知るためにすべてを賭けた、私の物語。
覚えていて。
どれほど善良に見える人間であっても、
悪魔は常に善の仮面の裏に潜んでいる。
そして友情とは、ときに――
裏切りという名の完璧な仮面にすぎないのだから。
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