恋-序章-
ぬこみや
序章
早く、春にならないもんかな
まだ12月だよ?
クリスマスだってまだなのに
苦手なんだよね、そういう、寒さが
そういう寒さって…ほんとそういうとこあるよね
好かれぬ者の運命よ
…なにがなんだか
夏の海も秋の夕日も冬の吐息も全部寒いの
…春だけだよ、私の味方は
ほんと、生きづらそうだよね
そう?楽しんで生きてるよ
そんな死んだ目で言われても
説得力ないって
…君はそうやって外見で判断するのかい
…あぁ、そうだよ
それ以外じゃ判断できないからね
そうかい、貧しい人間だこと
人間は内面こそ美しいのに
…じゃあ君は内面こそ美しい
人間様なの?
当たり前だろう
そりゃけっこうね
でも、どう判断しろって言うの
恋、してみたらどうだい
……君に?
そうさ
……私が?
そうだとも
……女同士だよ?
だめかい?
だめってわけじゃないけど…
そんなこと考えたこともなかった
頭が固いんだね
お生憎様
少なくとも私の考えにはなかった
じゃあこの瞬間、君の世界は
少し広がったわけだ 嬉しいね
……そう、かもね
どう?
…なにが
私
ん、2点
手厳しいね
安い女じゃないもの
そうかい
じゃあ逆に私は何点?
100点だよ
何点満点?
100点だよ
…ありがとう
でもそこまでじゃないと思う
主観とは違うもの
そういうもんか
そういうもんだよ
……考えとくよ
なにを?
恋。
恋-序章- ぬこみや @nukomiya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます