レビュータイトルの通り、読む人を選びます。選ばれた皆さん、喜んで読みましょう!
行政特区カワサキへようこそ!
さて、やや露悪的な部分がないでもないですが、そこが魅力でもあるので最後まで読んでください。
正気や理性や倫理。そういったものが何をもって成立しているのか。その根源が描かれます。
おそらく月並みなSFとしてまとめることもできたはずの内容ですが、作者の並々ならぬバイオレンスへの拘りはそれを許しません。その結果がこれです。
そのバイオレンスが一種の芸術美として昇華されていることを目にすることでしょう。
この作品に出てくる登場人物たちの中で誰が正気かを考えるのは、いささかナンセンスかもしれません。問われているのは、ここに正気を見出そうとしてしまう私たち読者は正気なのかということ。
あなたはそれでも正気だと言い切れますか?