一粒の飴玉から

@Suchender3

序 六限目の飴玉

「なぁ都代みやしろ〜、放課後どっかいかね?」

「沖田塾じゃなかったか?」

「今日なんか休みらしくてさー」


二千二十五年七月七日、午前一時五十七分、彩咲宮学園高等部二年二組の教室はいまだにざわついている、予鈴がなったところで、この学園では先生が来るまでフリーなのだ。

僕、都代 白杜しろとが友達の沖田と喋っているのも、他の奴等は他の奴らで喋ってるのも、特段悪い事とされていない。

嫌なのか、と聞かれたらはっきりノーといえるが、現代の若者じぶんながらに現代の若者の時間感覚が伺えてしまうのが、少しだけ癪に障るのだ。

そんな中、僕に近づく少女が一人。


「都代君!」

「ん?どうかし…」


彼女と最初に出会ったのは、六限目の教室。

きっかけは強引な口付けからだ。

友達やクラスメイト、果てには丁度良く入ってきた先生にまではっきりと見られながら、というよりは見せつけられながら、名前も知らない青髪の彼女の口から僕の口へ、飴玉が転がった。


「…杳咲、都代。職員室来い」


僕は文字通り理由もわからないまま、目の前の景色が黒く染まった。

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