人外、人を理解したい
逢見 イロハ
第1話 悩ましい出来事
ずっと思っている事がある。
―――――人は同情と共感の違いが分かるのか?
と
そう、よく私に投げかけてくる人間がいる。
私には共感と同情が分からない。
共感として投げた言葉が同情として取られる。
その時は、"かまちょ"だとかそれに似た事を言ってくる。別にそう思うのは構わない。でも言うのは違うのではないか?
見えないとこで言えと言っているわけではない。けれど、それを言うことで気持ちが楽になったとて、そのやり取りを見た人はどう思うのだろうか?と。
例え相手に否定的な事を言ったとして、その人間がそうとしか言えないのは辛い事があったのかもしれない。
堪えりゃ済む訳ではないが、なかなかに難しいのが人とのやり取りだろう。
同情を投げかけると、冷たい人と言われる。
じゃあ、どっちが正解なんだ?とつくづく思う。
他にも思う事は沢山ある。
繊細な奴にどうしてそんなに尖った言葉しか投げられないのか?とか
よく気遣い出来ない人間はみっともないと言うけど、逆にそれを言う人間は気遣いが出来ているのか、疑問に思わないか?
繊細な人はよく自己犠牲しがちなところがある。相手を思うからこそ、そう思えるのだろうと私は感じる。
繊細な人は他人の出来事を自分事のように悩んで、考えて、解決出来ると喜んでくれる。
人の言う"優しい"とは、
どんな事を指す"優しい"なのか?
例えば盛大な喧嘩をして関係を絶ったはずの相手がちょっかいかけてくるのは何故か?とか
"正直、もう無理だ"と思うと向こうから言っていたので、その人間達を今まで大切に思っていても諦めて、「もういいよ」と今までの関係を心の奥に思い出として仕舞っておく人。
ショックを受けて立ち直れなくなる人。
向こうからそう言われ、それにイラッとした人。
黒歴史として出来事を忘れたい気持ちが募る人もいるだろう。
だが、どうだろう。
あんなに向こうから言って来ていたのに、今度は突っかかってくる。
一体、何がしたかったのだろうか…
そんな事で頭を悩ませている私は人の気持ちや考えなど、とうてい理解出来ない人外。
今、"そんな事"って? と思っただろうか。
人間にとっても人外にとっても一つ一つが重大な悩みであり、決して軽いわけではない。
誰だって、
「好きだった相手にフラれて立ち直れない…」
「私の悪口を言ってたのが耳に入ってしまって、どうしよう…」
「〇〇と××どっちの方が正しいのか…?」
とかそんな風に悩んだ事はないだろうか?
本人にとってはとても重大な悩み。
他人には伝わらないから、仕方がないと自分で答えを見つけようとする。そこで悩みが解決するか、しないかが最大の分かれ道なのだろうか…?
今の時代、人間社会には人間以外にも色んな人外がその社会に溶け込んで暮らしてる。
化け狸みたいに人間に化ける事が出来る動物や妖怪。狼男みたいに人間と動物のどちらともの特性を持つ獣人や吸血鬼みたいにほとんど見た目が人間と変わらない者もいる。
そんな人外も人間と同じように学生をしている者もいれば、会社で働くも残業続きで目の下のクマが永久冬眠している者など。
各自それぞれの進みたい道を歩んでいるけど、結構大変そうだ。
さっき私は人外と言ったけど、こんな私でも今はこの人間社会で学生をしているんだ。
そんな人外達にも人間と同様に悩みはある。
私のように人間の感情や考えが理解出来ない者。
理解出来ないので人間関係が上手くいかないと嘆く(※理解しようとしない者もいるが、その場合は自ずと相談してくるまでは干渉しない事)
人間社会に上手く溶け込めなかった者。
精神的ダメージが大きく、自ら空に行きたいと言い出すので要注意
(※人間と関わるうちに出来た差が大きすぎて、馴染めずにいる。大体は他人思いで責任感が強い者だったり)
などなど…
結局は、人外も人間とほとんど変わりのないほどなのだ。
さて、今日もまた私は出掛けなければならない。
人間同様、学校に行き多くの事を学んだり観察せねば…
私がいつも鞄に入れている便利な物をいくつか紹介しよう。
・ヘッドホンやイヤホンなどの周りの音を遮断出来るもの。
・メモ帳とペンはちょっとした隙間に入るヤツがオススメ
・水筒に香りが入った少し温かい飲み物を入れるといい。
・あとは人間社会で1番大切な硬貨。これはある一定の金額を絶対鞄に入れておくこと
今度私達向けに本を出そうと思う
これを読んでくれている者へ何かしら良いきっかけとなってくれることを願おう
人外、人を理解したい 逢見 イロハ @Imi_12
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