いつも夢に出てくる、黒髪ロングでスタイルが良くて可愛い女の子を探しに行く。

最近ずっと同じ夢を見るんや。どこかの田舎町で黒髪ロングの可愛い女の子に手を引かれて遊ぶって夢。

:なんや？オカルトか？

違う。いや分からんのやけど。

ただそれが妙にリアルで。夢の中の看板に書いてある地名を調べたら、本当にあったんよ。

:嘘乙。場所言わない時点で察し。

長野県の×××市。俺は見たことも聞いたこともなかった。生まれも育ちも東京やし。

:絵とか描けるか？

分かった。書いてみる。

奥に緑の山々が連なり、中央に川が流れている。

川の上にかかる一本の橋が、左右の町を繋いでいる。山の上から見た景色のようだ。

どや？

:下手。でもマジもんっぽいな、東京から何分や？

4〜5時間は見てる。新幹線で長野市まで行って。そこから電車、バス、歩き。

:いつ行くんや？

もう新幹線の中や。

窓から見える景色を映した写真が載せられた。

:行動力えぐ。暇人かよ。あと信州そばは美味いから食っとけ

サンガツやで。昼飯にするわ。

にしても暇やな。人少ないし。

:当たり前や。朝五時やぞ

:夢の内容もっと教えてや

ちょっとまってな。

・・・

ほいよ。

・黒髪ロングの女の子と俺は同じくらいの背丈。

　多分夢の中の俺は小学生くらい

・手を引かれて歩いていたのは、森とか河原とか

・恋人とかなさそう

・死んだ筈の俺のおとんもいて楽しかった

:小学生の感想かよ

:ちょっとまて。死んだはずのおとんが居て、お前が小学生って、昔の記憶とかじゃないんか？

分からん。でも長野に親戚はおらんし、旅行で行ったこともないで。

:不思議やなぁ

─それからしばらく経って。

寝てしまった。また夢を見たで。

:生きてたんか、貼れ貼れ

:wktk

あぁ。森の中に木造の物置小屋があって、そこを秘密基地みたいに改造して遊んでた。

木が多いから、木と木の間に布を吊るしてハンモックにしたり。それから気付いたんやけど、黒髪ロングであることは思い出せるのに、どうしても顔が思い浮かばないんや。

:うわ、楽しそうやな。ワイもそんな夢見たいわ

::長野の×××市なら車出せるで。

↪︎うわ、ええんか？助かる。

::着いたら駅で待っとってな。白のプリウスやで

─長野駅到着後。

着いたで、ほい写真

::あの全身黒の細いやつか？不審者やんけ

そうやで。これしか服がないんやしゃーないやろ

:昼飯食えよ

忘れてた。

あ、いい蕎麦屋連れてってくれるって。

ほんま助かる。

信州そば美味かったわ。よし、腹も膨れたことやし×××市行ってくるわ。

:なんか楽しみやな