小杉なんぎんの短編小説【蝶を追って】
小杉なんぎん
第1話
ふらふらと飛んでいる蝶を見かけた。なんとなくその蝶が飛んで行く方へと私は歩いた。どこか行く宛があるのか、蝶はどんどん前へと進み、私も同じように前へと進んだ。いつのまにかオフィス街にいた。蝶は大きな会社のビルのドアを開き中へと入って行った。私も蝶に続いて中へと入った。蝶がエレベーターに乗り込み、私も乗り込んだ。エレベーターが最上階に着くと、蝶は社長室に入り、私も入った。蝶が社長の椅子の背もたれの上に止まり、ここに座れと言った。私は言われるままに座った。
その日から、私は、その会社の社長になった。
小杉なんぎんの短編小説【蝶を追って】 小杉なんぎん @nangin-27-27
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