第18話 Memory『被害』と『未来』
Side
『
私は、此度の討伐で殉職した隊員の名簿に目を通した総勢『1342人』全体の討伐隊の内『74%』が殉職した隊員達だ.....もっと早く守護者が駆けつけていたら未来は変わっていたのだろうか?
「守護者に会わせてくれ、私には守護者と話す権利があるはずだ」
「く、黒沢副教導官!どうか落ち着いてください、お願いしますから落ち着いて!」
「私は常に冷静だ、だから通せ」
私を止めているのは対魔庁長官秘書だ、彼女は冷静な私に向け言ってきた
「それのどこが冷静なんですか!あなたは討伐戦の際に多くの同僚を失ったのは分かります!ですから落ち着いて守護者様に会いたい理由を教えてください」
秘書は私のまともに使えない左腕の手を取った
「...私は守護者にあの討伐戦になぜ最初から参加しなかったのかを問うために来た、これで良いだろ」
「そう、ですよね守護者様が最初から参加していたらこれほどの隊員の命を失わずに済んだはず...ですよね。
少々お待ちください長官と問い合わせてきます」
「....了解した」
大体十数分は経っただろう
「黒沢教導官、どうぞお入りください」
秘書が扉を開け私を中に入れ席に座らせた、前方には一枚の黒い仕切りがあった
「ほう?そなたが我に質問を問いに来た者か?」
仕切り越しから聞こえてきたのは若い女性の声だった....恐らくは守護者だ
「ああ、そうだ
私は貴方に問いに来た、それほどの力を持ってる....なのになぜ討伐戦に最初から参加せずに居た」
「うむ、お主のその問いかけは至極真っ当じゃ...
我も討伐戦の最初から参加したいと内閣の豚どもに進言したのじゃが...あの豚どもはなんと言ったと思う?
『そんな厄災?級の魔物による被害が来るまで我々が国外逃亡できるまで出撃は許可しない』
と言っておったのじゃぞ?そこまで保身に走った豚どもの言う事を聞かずにおったら色々と面倒なことに巻き込まれてのう、最終的に我は独断で厄災級を討伐しにいったのじゃ
これが我が最初から参加しなかった....できなかった真相じゃ?」
「つまり...貴方が参加しなかった....理由は..腐敗しきった政治のせいなの...か?
保身に走った奴らのせいで...私達は...あんなに犠牲を払っていたのか....」
保身に走った奴らの時間のために私達は全体の討伐隊の74%の犠牲を払ったというのか...
すると仕切りを外して現れたのは白い髪をし、真紅の瞳をした可愛らしい少女が立っていた
「ほれ、我の手を取れ
そんなに犠牲を悔いているのであればその犠牲が今後出ぬようにあの討伐戦から生き残り今生きることとなったお主が為すのじゃ、無論我も協力するぞ?なんと言っても守護者級は我以外にも一人おるからな」
私に手を差し伸べながら少女は今の私ができることを諭してくれた
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