第8話 魔力発露者

 Side 龍崎 零士


「おい!!京弥きょうや!!お前のような『D級』しかない『魔力量』が俺に指図すんじゃねぇ!!」

 教室内で怒鳴っているのは『門崎かんざき 鶴城つるぎ』、いつも問題を起こしているのに親の権力でもみ消す

「あの、門崎さん!ここは教室です貴方だけの場所じゃないんですよだから落ち着いてください!」

 委員長三上 紗綾が門崎を落ち着かせようとするが

「あぁ?お前のような『魔力マナ発露者』じゃねぇゴミが話しかけるんじゃねぇよ」

 門崎の野郎は『魔力マナ』を使って委員長を威圧しいるから

「門崎、いい加減にしろ、ここで魔力を使ってみんなを威圧するな」

 俺は魔力で威圧する門崎を止めるために委員長の間に入り仲裁しようとするが

「零士...お前が俺と同じ『ランクB』の『魔力マナ発露者』なのが気に食わねぇぜ、今ここでどっちが上か殴り合うか?」

 門崎はいつものように挑発して俺とどちらが上か決めようとしてくる

「門崎」

 背筋が凍るような冷たい声で門崎の名を呼ぶ奈津なつ

「チッ、『ランクA』の最年少で『魔力発露者』になった黒沢はいつまでここに居るゴミどもと仲良しごっこしてるんだ?」

「あなたがそう思うなら勝手にしなさい」

 またしても奈津は背筋が凍るような声で門崎に向けて言う

「おい、お前等行くぞ」

 痺れを切らした門崎は取り巻きたちを連れて教室から出ていってしまった

「おいおい、門崎のやつ奈津さんにビビって逃げちまったぞ」

 笑いながら『政近まさちか 京弥きょうや』に近づいていく彰

「京弥も京弥であんなクズに何言ったんだよ」

 門崎が怒鳴ってた理由を京弥に聞いてみる、どうせ門崎が原因なんだろうが

「あぁ....門崎が彼岸のモニターを壊そうとしてたから止めろって言っただけなんだけどな」

「彼岸のモニターを壊そうとしていたのか...このことには俺でも少しイラッとしたぞでも、壊そうとしていた門崎を止めてくれてありがとな」

 モニターを守ってくれた京弥に感謝した、これまでにモニターは三台ほど壊されており毎度注意している

「れ...零士さんに奈津さん先程助けていただきありがとうございました」

 委員長が頭を下げ感謝してきた

「委員長、こんなこと当たり前なことだから頭を上げて」

「奈津の言う通り当たり前のことだから頭を下げないでくれ委員長」

「うぅ...魔力発露者なのに何もできなかった俺を殴りたい」

 確かに彰も魔力発露者で『ランクC』だったか、でもあそこで彰も仲裁に入ってきたらあのクズは暴れてただろうな、奈津は何もなかったかのように本を読んでいた

「なぁ...零士、彼岸さんってなんで入院したんだ?少し心配だから教えてくれ」

 どうやら京弥も彼岸が入院したことで心配なようだ、こいつも委員長と同じように色々教えてたな

「重い病気とかで入院したわけじゃないから気にしなくていいぞ」

 俺は隠すこと無く事実を言ったちょうどに一限目のチャイムが鳴ったため席につき授業を受けた、クズと取り巻きたちは放教室に帰ってくることはなかったため一限目以降は何事もなく放課後になり

「零士!今週の土日に彼岸ちゃんのお見舞いをしようよ!」

 綾音が今週の土日にお見舞いをする提案をしてきた

「うん、私もお見舞いはしたいかな」

 綾音の提案に賛成する奈津...2対1か

「分かったよ、でもどの病院だ?いつも通ってる『碑之坂国際総合病院ひのさかこくさいそうごうびょういん』か?』

 いつも通っている碑之坂総合病院なら入院も可能だろう、でもどの病院に入院したかはわからない

「うん、零士の言う通り碑之坂国際総合病院よ」

「わかった、土日にお見舞いしに行くか、あいつに委員長達が心配してるってことも伝えるためにもな」

 このまま今週の土日に入院した彼岸のお見舞いをすることが決定した


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