七生報国は報われる

@114532

第1話

1336年



湊川の戦いにて敗れた幕府軍



新田義貞は退却 北畠顕家も同じく………


私に残っているのはただ一つ、味方を1人でも多く逃がすこと。



「皆の者!ここで足利の軍を食い止める!命を賭けその重みをぶつけろ!」



「「「「オォォー!!!」」」


激励を飛ばしては自身の軍は足利尊氏と武田信光率いる大軍相手に奮戦をするも足利直義の軍も来たことによりこちらも退却をする。



だがもう助からないだろう、囲まれているので殿は不可能。


弟の正季とともに残りの軍の兵士と共に皆自害をしていく。



「嗚呼………忠義を尽くしてきたが報われないとは……」



七生報国



それが願った最後の言葉であり自害をした。



















1544年


尾張・清洲





「………をー!」



なんだこの声は……なるほどここが地獄か。


やはり私には相応しい場所だ、こうして悪党と呼ばれ忠義を尽くした者のは罰がくるだろう……。




「おーい!目を覚ませー!」


「!………ここは……」



「おー、起きたか。お侍さん道端で倒れていたから介抱したっぺ」




周りを見渡すとそこは百姓の家だろう、そして自身を助けてくれた人物は微笑みを浮かべた男性であり二十代くらいに見えると言うべきだろうか。


まさか転生したのか……?だが身体も二十代くらいのままだが……



「お主が拙者を助けてくれた頃に感謝する。名を聞こう……幕府に頼んで礼を弾む」


「いやいや!そんなものいらない!俺は元気な姿が見れたらそれでいいんだ、しても幕府のお侍さんとは凄いなぁ……名を聞いても?」



「楠木大納言正成……後醍醐天皇に使える武士だ」


その言葉を聞く内にその百姓は眉を潜ませ



「お侍さん、うそはいけねぇよ。楠木様はもう200年前の武士様なんだから…それに偉大な名将なお方だよ」


「な………何だと?もう200年前のことなのか……?」



思わず驚きを隠せない、何故だ?200年を過ぎているのなら今はまだ室町時代が続いているのか……?兎は角…とにかく情報を得るしかない。



「色々と感謝する、それとだがここは何処なんだ?」



「ここかい?ここは織田弾正家様の領地である尾張の村っぺ、だからこうして信長様に色々と感謝しかないんだなぁー」


なるほど、ここは尾張で守護である斯波家は没落をして下剋上をされたな、だからこそ今は織田家が勢力を伸ばしている……と言うことか。




「感謝する、その信長様はどう言ったお方だ?」


顎に手を添えて何やら説明が難しそうにすれば少しだけ考え込み



「んー……先代の信秀様よりかは真面目ではなく色々と派手な方で殿様と言うよりかは民のために接しているうつけの方と言われているっぺ」


うつけがこうして先代を受け継ぎそして大うつけと呼ばれているがそれでもそれは的外れだ。簡単だ、それは能ある鷹は爪を隠すと同じようにふりをしているのだろう。

会ってみたい……いや、気になってしまう。後醍醐天皇よりもその方が気になってしまう。



_____






那古野城 織田信長



「と、殿!大変です!」



「なんじゃ急に……わしは柿を食べているのにそんなに慌ててどうしたんだ?」


和室でだらしなく服を着ては寝転がりながら柿を食べてる信長が家臣である村井貞勝が慌てていることに無表情のまま話していく。


「尾張の村に……く、楠木正成と名乗る者がおるとのことです!」


「……なんじゃと?」


思わず柿を食べるのをやめあぐらになれば話を詳しく聞いていく。



「………は!面白そうじゃねぇーか、それが本物の楠木正成なら……是非とも家臣にしてみたいものだ」



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