第6話 (第一次)捕獲成功に到るまでの経緯について③
佐保が、杉田君に、強引に迫りました。(豊満系で、そういう力業は得意なので)
「ねえ、どんな手を使っても、合コンセットして!」
杉田君は、渋い顔です。
「マジ?彼は難しいなあ。何度も誘ったけどさ、そういう合コンそのものに興味が薄いんだ」
恭子は、杉田君の手を握りました。
(恭子は、お坊ちゃま趣味もある、要するに男好き)
「ね、お願い!」
(二股?だから淫乱肉食系って言うのに)
杉田君の態度が、いきなり変わりました。(佐保の時とは、大違い)
「わかった、連絡してみる」
(こいつ・・・淫乱女に手を握られて、ニマニマしている)
奈美はニンマリです。
「楽しみだなあ、ありがとう!」(おい!ヨダレ出ている!)
私ですか?
まず、学部を聞きました。(ただの淫乱肉食女たちとは、冷静に一線を画します)
「あの、田中さんは、何学部?」
杉田君は、(素直なお坊ちゃまなので)すんなり、教えてくれました。
「田中は文学部だよ」
(ここで、私は心中ガッツポーズです!大教室の隣席ゲット可能ですから)
(淫乱肉食女3人は、経済学部。はい!脱落決定!)
(淫乱肉食女3人のアセリ顏も、実に快感だ)
それで、合コン当日は、「無口で予想通り」でした。
田中さんは、「借りて来た猫」か「置き石」状態。
恭子、佐保、奈美が懸命に色目を使いますが、「無慈悲な無反応」。
(でも、時々、私とは目が合いました)(正面に座っていたからだけかも)
しかし、やはり杉田君や他の男子とは、やはり「上品で別格」です。
白くなめらかなお肌、吸い込まれるような美しい瞳、顏はすごく可愛いです。
口下手を気にしているのか、聞かれたこと以外には、喋りません。
恭子が「二次会に是非」と誘ったのですが、「ゼミのレポート」を理由に、実にアッサリ」帰ってしまいました。
残念でしたが、「女に腰が軽い男ではない」も確認しました。
その後の二次会ですか?
私を含めて、適当に時間をつぶして、終わりました。
(そもそも、4人女は、田中さん以外には、興味が無かったので)
そして、合コン翌日のことでした。
私、鈴木裕美は、大教室に田中さんを発見しました!(寝ていたけど)
ためらっている余裕も、ためらう気もありません。
そのまま、隣席ゲットしました。(田中さんは、スヤスヤ寝ています)
ピクリとも動かないので、数センチの距離に密着。(これで私が独占です)
寝ている顏は、まつ毛長いし・・・二重まぶた・・・可愛いです。
(ツンツンしたいし、なめたくなります・・・って恥ずかしい、私も肉食系かな)
講義は眠いので、一緒に寝たいなあとまで。
(変な妄想は、していませんよ・・・まだ)
でも、指が細くて長くて、きれいです。
それでピアノも器用なのかな。
(髪を撫でられたら、私、その時点で落ちます、完敗します)
講義が終わりました。
田中さんは、大あくびです。
(それも可愛い、笑えます)
でも、「いつもの速攻帰りの動き」です。
(逃がす気はありません)
「田中さん!」(ためらっている時ではないので)
「え?あ?」
(意味不明な田中さん、私に気づいていない、許しません)
無理やり(二度目の)自己紹介して、食事に誘いました。
捕獲成功です。(ここまで二か月以上、要しました)
「ピアノ弾きの代役」は、嘘です。
(転んで骨折など、ありえません)(私がキーボードでしたので)
「杉田さん情報で、田中さんのピアノを知った」ことにしました。
下北沢のジャズバーで二か月も聴き続けたことを、言いたかったのですが、言い出せません。
(女性そのものに、ウブなイメージな田中さんに、追っかけ女子4人組など、余計なストレスを与えたくない)
(杉田君を使った合コンセッティングも、あざとくてマイナスイメージになるかなと不安でした)
でも、私の指にストップがかけられなかった。
つい、田中さんの、細くて長くてきれいな指に触れたくなった。
(ビクッとなった田中さんが、実に可愛いです)
「練習と二次会後は、すぐに帰ります」は「聞き流し」ました。
「善処します」とだけです。
こんな魅力あふれる田中さんです、逃しはしません。
(恭子、佐保、奈美?あんな下品な奴らに渡しません)
(田中さんは、もう捕獲しましたので)
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