第2話 20 代

朝差し込む陽の光、川を泳ぐ鴨、楽しそうに会話するカップル、どこに行っても目に付く海外旅行者、目に付く人、ものが全て嘘にみえてくる。


とりあえず独り身となった訳で、かといってすぐに誰かと遊ぼう!みたいな動きができないめんどくさい性格なもので。

マッチングアプリって意外と体力使うのですね。毎回「初めまして!」のやり取りが合わず続かない。とはいえ寂しい。

何も考えなくてもいいように仕事に全力で取り組み、毎日疲弊して帰る。

毎夜誰かと飲んで過ごしたい。話し相手になってほしい。そんなことを考えている自分を客観視して可哀想な人とか思ったり。気持ちのジェットコースター。


ところで、環境が変わると自然と目に付くものや興味って変わるのですね。

思い立って知らない土地に行ってみたり、今まで興味がなかった編み物とか音楽を聴き始めたり、これが自分でもすごく驚いた。恋は盲目ってよく言いますが、本当にそうだと思います。知らず知らずのうちに自分が形成されていく。私の知らない自分が見えて、じゃあ本当の私って誰なんでしょう。

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