明日の色を探して

おもち

明日の色を探して

何度か、打算で動いたことがある。

友達同士の仲を取り持つときも、

自分に都合よく風向きを変えたいときも、

目に見えない糸を編み、

小さなほころびが生まれないように

慎重に計画を立ててきた。


たいてい、それはうまくいく。

その瞬間だけは、

世界の裏側で筋書きを描く

シナリオライターになったような気さえする。


たくさんの絵具の中から色を選び、

軸になる色を濃くしたり、

白を混ぜて淡くしたり、

水で薄めて境目を溶かしたりしながら、

少しずつグラデーションをつくっていく。


そうして私は、

そのとき必要な“自分の色”を塗り重ねていくのだ。


けれど、あとで振り返ると気づく。

塗り重ねすぎた色は、

ときに元の自分を覆い隠し、

使いすぎた色の感情は

いつの間にか退色してしまう。


明日の私は、何色だろう。

どんな色をつくり、

どんな自分を描こうとするのだろうか。

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明日の色を探して おもち @omochitto

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