守りたかったのに傷つけた。あの恋の続きの話。

再会から始まる拗らせ両片想い。
“守るために傷つけた恋”が再び動きだす。

代々“イヅナ”という妖を宿し、生涯その餌となる妖魔を狩らねばならない家系に生まれた九重大希。
狩りが足りないと、イヅナは“宿主が最も大切に思う相手”の生気を奪う。
最初の犠牲者は、大希の母だった。

だから誰かを大切にしてはいけない。
恋なんて、してはいけない。

そう自分に言い聞かせてきた彼は、心が陽向へ傾いた瞬間、わざと彼女を傷つけて距離を断った。
──守るための拒絶。
けれどそんな言い訳は、彼女に残した傷の前では無力だった。

時が流れ、“呪いの代行業”として妖を狩る大希。
ある日、依頼人と会うため訪れたカフェにいたのは――
数年前、自ら突き放した陽向だった。