其の道突き詰めた先に有る火力を求めて〜共生体のために魔導を極めていたら国に取り立てられいつの間にか英雄と呼ばれるようになりました〜
有茶帽丘
01「ロマンは大事さ」
──火力。
一撃で敵を屠りさえするその奇術を見たとき、俺はわくわくがとまらなかった。
***
星暦1506年6月9日午前1時32分、俺は気づいてしまった。
ここは地球でないと。いわゆる転生というやつだろう。
ここは、乗っ取った人の部屋かな?装飾品とかを見る限りどうやら相当金持ちのようだ。中世ナーロッパならば多分貴族やろ、知らんけど。
窓を見ると月が美しかった。うん、いいね。月は好きだ。
月というのはどこか神秘を感じさせる。だからだろうか?
さてどうするかと考えたその瞬間、頭に声が響く。
〈ええと、あなたは誰ですか?〉と。
どうやら俺はこの少年に成り変わったと言うわけではなく共存している、ということか?
〈こんにちは。転生、と言ったら通じるかい?〉
〈ええと、わからないです〉
なるほど、転生者は居ない、もしくは名をあげてないのかな?
んー、どう答えるか。厨二を拗らせた俺の頭よ、働け!
〈そうだね……僕は天蓋の星から来て君を乗っ取ったと言ったらいいかな?〉
少しだけ彼が怖がった、そんな感じがした。
〈何する気ですか?父上と母上にに手を出したら……許しません〉
姿形は見えないはずだろ?なのになぜそんな恐怖が浮かぶのか。この少年は底知れん。
〈別に取って食おうって訳じゃないさ
……僕の意思で来たわけじゃないんだ。君の家族に手を出すつもりはない。使用人も、領民もだ。だから取り敢えず信用してもらうことはできるかい?〉
〈信用は出来ないですが……まああなたに害は感じられません。一度、協力関係を結んでおきましょう。〉
〈いいね。僕も言おうとしてたんだ、気が合いそうだ。……取り敢えず睡眠を取らないかい?この体は眠くて眠くて仕方がない。〉
〈同感です。……一度寝ましょう………〉
さあ、明日から異世界ライフをどう過ごすか楽しみだ。
そして朝になる。
〈さ、答えてもらいますよ星の旅人〉
其の道突き詰めた先に有る火力を求めて〜共生体のために魔導を極めていたら国に取り立てられいつの間にか英雄と呼ばれるようになりました〜 有茶帽丘 @Palladium_46
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